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書籍レビュー『世界最高のチーム グーグル流「最小の人数」で「最大の成果」を生み出す方法

『最高のチームを作るためのマネージャー向け手引き』

マネージャーであれば、自分のチームの成果を高めたいし、メンバーが生き生きと働く職場にしたいと思うのは普通であろう。しかしこれを実現するのはなかなか難しい。本書では、最高のチームを作るためにGoogleで実践されていることが説明されている。Googleの考えるチーム作りの基本を学んで、自分のチームのマネジメントに生かすことができる。

本書の中で特に私が学びを得た項目を紹介したい。

【チームの生産性は経営のトップレベルから見た評価で測る】
マネージャーとしてチームの成果を評価する際は、自組織目線ではなく経営者視点で見たときに十分な成果を出せているかを見るべきである、という指摘である。自組織視点だと「頑張っている」「努力している」が前面に出てしまうが、果たしてそれが成果に結びついているか否かを上位の視点から見る重要性を再認識した。

【メンバー一人一人が安心して自分らしく働ける場、自己認識・自己開示・自己表現できる場を作ることがマネージャーの大切な役割である】
これは、有名はプロジェクトアリストテレスでも実証されている、チームの生産性を高めるためには心理的安全性を高める必要がある、という指摘である。心理的安全性の高い組織にするためにマネージャーが行うべき内容を具体化すると上記となる。

【プレイングマネージャーであっても自分のチームの日常業務は行わず、マネージャーチームの日常業務を行う】
これは特に日本型のプレイングマネージャーとの違いが浮き彫りになると感じた部分である。マネージャーはメンバーの仕事を手伝うのではなく、自分と同じマネージャーが集まるチームの中で、マネージャーチームとしての仕事をプレイングすべきで、それはメンバーの行う仕事とはレイヤーが異なるということである。

【プロセスやタスクをゴールに設定していては、生産性の飛躍的な向上は望めない】
目標設定をする際にどうしてもプロセスやタスクを目標にしがちであるが、そうなるとタスクをこなすことが目的になってしまい、本来の目的であるサービスの質の向上や顧客満足度向上、生産性の向上に対してより良い手段があってもそれを選択せずにもともと目標設定したタスクを続けてしまうことになる。そうならないように目標は目的を見据えたうえで成果で設定すべきであるという点は非常に共感できる。

このような多くの学びを得られる書籍であり、チーム作りに悩むマネージャーには是非お勧めしたい。

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