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夫のジャム作り

うちの庭にはブルーベリーの木が2本ある。ネットを張ってヒヨドリから守りきり収穫されたブルーベリーが冷凍庫にみっしり詰まっている。お裾分けをしてもまだビニール袋に10袋ほど残っている。このブルーベリーは1年ほどかけて夫の手により全てジャムになる。

今朝、冷蔵庫の中のジャムを食べ切ったので、また夫がジャムを作り始めた。前回から数ヶ月経っているため作り方を忘れていた。
「ブルーベリーどのくらいだった?」
「前回メモってたよね。えっとね、ブルーベリー2袋、グラニュー糖300だって。」
「2袋って何?袋によって量が違うんだけど。」

とりあえずホーロー鍋に凍ったブルーベリー2袋をカラカラ入れてグラニュー糖を300サラサラ入れた。
「溢れそうで混ぜれないんだけど。底が焦げつかないかな?」
「ジャム作りの為のホーロー鍋じゃないの?」
「ホーローは余計なにおいが付かないからで、作りやすいとかではないよ。」
「そうなんだ〜。」

夫がジャムを混ぜ続け、ようやく沸騰してアクが出てきた。
「このアク取るやつ使えないんだよね。」
「取らなくていいんじゃない?」
「味が透き通るんだよ。色もキレイな紫色になるし。」
「味が透き通るって何?」
「何となく、違いがあるんだよ。」
「わからないのに軽はずみに使わないように!11時29分逮捕!」(家事ヤロウの軽コク罪。コクパトロール)

アクを取り終わり、あとはペクチンによって固まるのを待つばかり。焦げつきを心配してずっと混ぜ続けている夫はジャム作りに飽きていた。
「まだシャバシャバなんだよね。これにトロミが付くまでが長いんだよ。」
「へえ。でもトロミが付いても、夫さんが味見したらシャバシャバに戻るんじゃない?」
「それはデンプンを分解するヤツでペクチンじゃないから!アミラーゼは関係ないから!!」
(マツコさんのかた焼きそばシャバシャバ問題)

夫がジャム作りを始めて1時間ほど経った。ずっと立っているので腰が痛くなったようだ。私はソファに座って老犬を抱っこしている。
「あ、きた。とろみが。ヒカルも混ぜてみて!わかる?」
「ああ、さっきより重いね。これで完成?」
「いや、もうちょいかな。」
ソファに戻る。
「あ!きたきた!いい感じ!ほら!」
「ああ、確かに。完成?」
「うーん、あとちょっと。」
またソファに戻る。
「おお!きたね〜!これこれ!」
「ホントに?完成?ファイナルアンサー?」
「そう言われると、、、」

「もういいや!完成!!」
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー!!」
ソファから立ち上がり混ぜてみる。
「、、、、、、、、、正解!」

ジャム作りがようやく終わった。

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