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雨雲を下から見るか上から見るか

雨が上がった。夕立だった。
雨雲レーダーを見ると小さな雲の塊がこの地域の上を通り過ぎただけだった。
私の視界に映る全ては灰色で薄暗く雨に濡れているのに、この地域以外は晴れていてどこも濡れていないというのが少し不思議だ。

学生の頃開けた田んぼの中をまっすぐ自転車で走っていたら前から雨のカーテンが迫ってきたことがある。私の真後ろから太陽の光が射し、そのカーテンをはっきり映し出していた。一瞬にしてずぶ濡れになってしまったけれど、何だか奇跡に出会えたような感覚だった。必ずある晴れと雨の境目。
「もうすぐ雨になる」「今から雨雲が通り過ぎる」視点が違うと表現が変わる。気分も少し変わる。

青空が見えてきた。光が射しているところでは雨粒がキラキラ揺れている。空気は洗われたようにひんやりとしている。木々の緑も鮮やかさを増している。

雨上がりは気持ちが良い。

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