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詩「神経衰弱」

ここまでは良かったけれど
この先は求めてもないの
ここら辺で終わりにしましょう
 
泣いて 喚いて 切って
笑みを湛え
そっと 睨んで
乱れ咲いた 花を踏んで
 
夢ならどうか
どこまでも行って
空を飛んだら
帰らなくていいの

星を溶かした
ソーダ水を飲んで
譲り合う椅子
だれも座らないで
 
そこでは正しいのでしょう
それこそ間違いでしょう
そして選ぶのは自由でしょう
 
笑って 殴って 知って
幻に酔って
叫んで 揺れて
胸を裂いた 言葉捨てて
  
遠い場所なら
きっと行けたのに
あまりに近く
行く気にもなれない

鋭く赤い三日月が浮かぶ
緑の夜の海で
水面を走る
真白い少女の影
 
夢ならどうか
どこにでも行って
空を飛ぶなら
帰らなくていい?

星を溶かした
ソーダ水を飲んで
疲れ果てたの
何も言いたくない
 
何も言わせないで

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