函館で新型コロナの感染拡大が始まる
しばらく新型コロナとは無縁だった函館にとうとう新型コロナの感染拡大が始まりました。これからは今まで以上に警戒していく必要がありそうです。
4月18日 4人目の感染者が発覚
2月26日以来となる新たな感染が発覚したのは4月18日 のことでした。感染した市内の60代無職の女性が4月9日に37度台の熱を出し、13日に医療機関を受診し、風邪と診断。
その後、37度台の熱が続いたため、17日に同じ医療機関を再度受診したところ、肺炎の徴候が見つかり、そのまま救急搬送され入院。
そして翌18日に市衛生試験所が検査し、ようやく陽性と判明したのでした。
4月19日 5人目の感染者が発覚
18日に続いて、今度は70代男性の感染が発覚しました。この男性は4人目の感染者と同居する方で、8日に倦怠(けんたい)感、18日に37・3度の発熱があり、19日に函館市衛生試験所で検査。その日に陽性だと判明しました。
4月22日 6人目と7人目の感染者が発覚
22日には60代の無職男性と30代の市職員女性の感染が発覚しました。
無職男性は4月9~11日まで、持病治療のため「北海道がんセンター」に入院していたそうです。ご存じの通り、この病院は集団クラスターが発生し、ニュースでも大々的に取り上げられていたところです。
市職員の女性方は19日に37度台の発熱があり、20日の夜38度台に熱、倦怠感が出たそうです。そして翌日の21日に検査したところ、感染が確認されました。
7月29日 8人目の感染者が出る
7月29日、とうとう8人目の感染者が出ました。年 代 ・性 別 ・職業は非公表で函館市に住む日本人の方だそうです。
函館新聞やTwitter情報によると、
①道外のコロナ陽性者が函館に来た(本人は感染に気づかず)
②その男性が函館在住の親戚にコロナ感染させる
③道外の保健所が市立函館保健所への連絡を失念してしまう
④函館在住の方の陽性確認が1週間ほど遅れてしまう
ということだそうです。痛恨のミスによって感染が広がらなければいいですね。
感染拡大が確実視されている理由
函館市民の中には「まだ7人目か。東京、札幌に比べればまだまだ少ないから大丈夫」と思っている方もいるかもしれません。しかし、事態は決して楽観視できないほど切迫しています。
理由その1 感染経路が不明
その大きな理由は「感染経路」がはっきりと判明していないことです(※6人目を除く)。4月18日に4人目の感染者が発覚してからすでに4日間経っていますが、函館市からの何の説明もありません。つまり、現在このウイルスがどこからもたらされたものなのか全く分かっていない状態で、それはつまり未知の感染源となる人(自覚症状なし)がほかにいるかもしれないということでもあるのです。
理由その2 感染発覚までにかかる時間が長い
4人目の感染者となった女性が最初に熱を出したのは4月9日です。コロナウイルスの潜伏期間は1~14日で平均5.8日と報告されていることから、感染したのは3月下旬から4月の始めあたりということになります。
しかし、この女性の感染が発覚したのは4月の18日です。つまり、少なくても1週間から2週間ほどは自分が感染していることを知らずに行動していることになります。そして、その期間に他人に伝染させている可能性は十分にあります。
同じことは、5人目、6人目、7人目の感染者にもいえます。つまり、一人の感染者が発覚するということは、実はまだ分かっていない未知の感染者が無数にいるということでもあるのです。
※WHOによると、一人の感染者は平均して2~3人にうつしているそうです。
理由その3 感染エリアが不明
新型コロナの調査に当たった保健所の方やその関係者は感染した人がどこに住んでいるのか、どのあたりを行動範囲にしているかを把握していますが、その情報はプライバシー保護のために一般市民の方には知らされていません。
そのため、市民はどこに行ってはいけないのか、最も避けるべき危険なエリアがどこなのか知らないまま行動することになります。
中には「感染した人はきっと自分の住んでいるところとは全く無縁の遠くに住んでいるはず」と安易に考えてしまう人もいるでしょう。そしてついつい人がたくさん集まる人気スポットに足を踏み入れてしまうかもしれません。
※ツイッターで「五稜郭公園は4月~5月にかけて最も人が集まるところで、感染リスクが高い」と警告した後でこんなツイートをみかけました。
やれやれです。何にも分かってなさそう・・・。
マスクしていれば大丈夫は本当か?
新型コロナがいかに驚異的で恐ろしいものなのかを話す人に対して、「過度に人々の不安を煽っている」と批判する人たちがいます。そういう人たちは新型コロナウイルスと一過性のインフルエンザと同じものであると考えているようです。
しかし、新型コロナウイルスとインフルエンザは全く異なるものであり、同じようなものとして考えるのは危険です。
たとえば、新型コロナに対して「マスクをしていれば大丈夫」と考える人がいるかもしれませんが、コロナウイルスは0.1μm(マイクロメートル)ほどの大きさで、たいていのマスクではブロックすることはできません。
マスクはあくまで自分が他人にウイルスをうつさないようにするためのものであることを忘れない方がいいでしょう。
「ソーシャル・ディスタンシング」は守られているか?
函館市内で「ソーシャル・ディスタンシング」(感染予防のため、一定の間隔をあける)はきちんと守られているのでしょうか?
ニュースでは函館市内でもスーパーなどのレジ前で間隔を取って並ぶよう呼び掛けたり、店内の飲食スペースの席を減らしたりしていると報じられていますしたが、自分が見たところ実際はまるで違っていました。
まず、スーパーやドラッグストアは通路(商品棚と商品棚の間)が狭く、一定の間隔をあけるのは不可能であると思いました。
また、時間帯によって店内が混んでいるときもあり、一定の間隔をあけたくてもあけられないこともあります。
「ソーシャル・ディスタンシング」はたしかに有効な手段だと思いますが、言葉だけが先行していて、実際の効果はあまり期待できそうにありません。
※先日、マスクしながらデートしているカップルを目撃しました。こんなツイートしている人も発見。
「三密」も完全無視か?
函館市内では「三密」(「密閉」「密集」「密接」)も完全に無視されている可能性も多いにあります。うちの近所の某有名銀行の寮では、週末になると狭い部屋に複数人が集まり、どんちゃん騒ぎを始める始末。一応窓は開けているようですが、夜中になっても大声で騒ぎまくりで迷惑しています。
他にもこんなことが・・・。
そして、これからも「三密」を守る気は全くなさそうです。
最後に
東京は4月のはじめにはまだ500人くらいの感染者数でしたが、そのわずか10日後には1000人を超えていました。
「これ以上感染が拡大することはない」という甘い見通しが歯止めが利かなくなるほどの感染者を出すことにつながったことを忘れていはいけません。
4月の後半から5月の始めにかけては「桜の開花」、「GW」という嬉しいことがありますが、くれぐれも油断しないように心がけてください。
<参考ニュース>
函館で4月以来の新型コロナ患者 連絡ミスで陽性発覚遅れる / 函館新聞電子版 https://digital.hakoshin.jp/news/national/64497
北海道函館市の60代女性コロナウイルスに感染 行動歴、濃厚接触者数など調査中(函館新聞電子版) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200418-00000005-hakoshin-hok
函館5人目の新型コロナ感染者 4人目の濃厚接触者 / 函館新聞電子版 https://digital.hakoshin.jp/news/national/61418
函館市内で2人陽性確認 市職員女性と無職男性(函館新聞電子版) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200422-00000004-hakoshin-hok
警戒厳重な病院「まさか」 北海道がんセンターで感染17人(北海道新聞) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200418-00010000-doshin-soci
新型コロナウイルス感染症について | 函館市 https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2020011600059/
「ソーシャル・ディスタンシング」函館でも取り組み広がる(函館新聞電子版) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200419-00000001-hakoshin-hok
別の人へ感染のリスク、発症2~3日前から 中国で推計 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN4L358HN4JULBJ003.html?iref=comtop_list_sci_n03
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