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ミッドナイト隣人24時

音楽がなくても、わたしは生きていける。

でも、隣人の音がないと生きている心地がしない気がする。

隣人はだいたいわたしより帰宅が遅くて、1人のときはつまらなそうに鍵をまわすけど、彼女(のような何か)と帰ってくるときは、ここは世界にきみたちしかいない楽園なんじゃないかってほど浮かれた音をたてて帰ってくる。

わたしは夜の底、しんとした四角い壁に囲まれて、二次元のものたちを愛している。

隣人は、彼女(仮)と、互いの肉と肉とをすりあわせて、三次元に愛をぶつけている。

ぼくたちは、生きている。

わたしは、生きている。なぜなら、隣人の生を感じるからだ。

わたしたちは、こんなにも近くて、相容れなくて、遠くて、違っていて、ただひたすら、生きている。同じように、生きている。

わたしは、たった1人じゃ生きていくのに耐えられないけど、隣人の音があれば、なんとか、それを支えにして生きていける。

わたしの知らないだれかの食卓が、お風呂が、ベッドが、ベランダがあり、だれもが知らない、わたしの机と、椅子と、ウイスキーがある。

きっと、顔もずっと知らないお隣同士

今夜もどこまでも遠い寝床で、どうか温めあってさよなら、また明日。

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