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バファリンにやさしくされたことなんてない

とにかくおなかが痛い。

おなかの痛みと肌荒れとともに生きてきた人生だと言っても過言ではない。とにかく痛む。内臓のどこかしらが、だいたいいつも痛い。

初潮をむかえたのは10歳のころ、あれから約20年毎月5日ほどは決まっておなかが痛い。何年経っても、何度経験しても、痛いし苦しいし辛い。毎回新鮮な気持ちで「勘弁してくれ」と大いなるなにかに訴え続けている。

痛いし、眠いし、血は出るし、ちょっとこの状態で「痛みに負けるな☆」とか言っている場合ではない。ここで負けずして、いつ負けるのか。わたしは正々堂々と負けていたい。明らかに普段通りじゃないのに、いつもと同じように振舞うとかはむりです。できないです。だって、すごく赤いのがいっぱい体からでてくるんだもん。血の池地獄 in 現世。

いつも明るく元気にとか、できたらそれは素晴らしいよ。でも、生きていくのって、いつだってなにかしら物理的にも精神的にも痛みが伴うよ。そんな真っただ中でも、「元気だよ!」っていいたくないし、「きみならできるよ!」って応援したくない。どうしたって、今はだめだ、起き上がれないってときがある。わたしはそういうとき、ほうっておいてほしい。でもできればあたたかいお茶を差し出してほしい。

「こういうときもあるよね、とりあえずこれでも飲んでゆっくりしよう」

いつでも頑張ってるねって、悪気があって言ってるわけではないとはわかる。笑顔がすきだねって、心からほめてくれるのもうれしい。

でも、頑張ってないわたしのことも、認めてほしいし、笑ってないわたしのことも、この世のすべてのことを諦めた表情だねってほめてほしい。

痛いのはとんでいかない。ただじっと、嵐が去るのをまつように、丸まって耐えるしかない。無力なわたしを、励まさないで。

痛みと痛みの狭間のぽっかりできた何もない砂漠地帯に到達したら、痛みにうずくまる君の背中を、わたしは見つけるだろう。

そしてただ立ち尽くす。右手にお茶を握りしめて。何度でも。

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