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Z世代、Y世代はAIをエンターテイメントとみなし、一方、X世代は仕事のサポートとみなしている。(アドビの調査結果より)

アドビは2023年10月24日、「アドビ未来の働き手調査(Adobe Future Workforce Study)」の調査結果を発表しました。

「アドビ未来の働き手調査(Adobe Future Workforce Study)」は、パンデミック後の職場を変えつつあるZ世代のキャリアにおけるモチベーションと職場に対する期待に焦点を当てた調査です。この調査は、アメリカの中から大規模な企業で初期段階のキャリアを積むZ世代の1000人以上を対象とし、Z世代のキャリアにおける意思決定プロセス、行動、雇用主に期待する要素を理解するために実施されました。調査結果から、若い社会人たちがキャリアにどのように取り組んでいるか、新しいテクノロジーへの関心や、キャリアの成長機会、企業の価値観や社会的責任に対する考えが明らかになりました。

「新たに社会に参入するZ世代は、従来の働き方に変化をもたらしています。彼らは新しいテクノロジー、生成AIなどに高い関心を抱き、多様性とインクルージブな職場でのキャリア成長の機会を求めています。また、個人と企業の価値観の一致や、企業の社会的責任における透明性に重点を置いています。優秀なZ世代の才能を引き付け、維持したい場合、企業は彼らの期待に応え、彼らのニーズに積極的に適応する必要があります。」

- Cortney Erin(コートニー・エリン)、アドビ グローバル人材採用部門バイスプレジデント

職場での生成AIの使用に関して、Z世代は慎重なアプローチを。

一般的に「テクノロジーに強い」と思われがちなZ世代ですが、生成AIなどの新しいテクノロジーに関して、彼らの意見は分かれています。

  • 職場での生成AIの使用に対する準備ができているかについて、Z世代の意見は分かれており、日常業務で新しい技術を導入する準備が「できている」と回答した割合は48%でした。

  • 職場での生成AIの使用に関するガイドラインを「導入している」と回答した割合は、調査対象の中で35%にとどまりました。しかし、回答者の半数は、自分の仕事で生成AIを使用した経験があると答えています。

  • Z世代の多くは、生成AIの浸透が避けられないと考えていますが、職場での使用を歓迎する声はわずか23%にとどまりました。

  • また、Z世代は生成AIを脅威とは見ておらず、59%がテクノロジーが自分たちの仕事を奪うことを「考えていない」と回答しています。

Z世代は、有意義な仕事を望み、声を上げることにためらいがない。

初期のキャリアを歩むビジネスパーソンたちは、職場で変革を促進する主要な存在になりたいと考え、自分の意見を自由に表現することに抵抗を感じません。

  • 回答者の大多数(89%)は、同僚に対してフィードバックを提供することに抵抗がありません。Z世代は自身の視点を積極的に職場に伝えたいと願っています。

  • 彼らは役職に関係なく、職場での機会に対して積極的に発言しようとし、74%がマネージャーや上司に対してアップワードフィードバックをためらいません。

  • 70%が自己成長を積極的に追求し、職場での影響力を拡大し、昇進を目指しています。

  • 一方、69%は会社でのキャリアアップの機会に「満足している」と回答しましたが、50%は昇進への明確な道筋が示されていないことを離職の主な理由の一つとして挙げています。

Z世代は、メンターシップとスキルアップに熱心

新たなキャリアのスタートは簡単なことではありません。Z世代は、メンターシップの機会やスキルアップの場を含む強力なサポートシステムが大きな影響を与えると考えています。

  • キャリア初期のビジネスパーソンの83%が、メンターの存在がキャリアに不可欠であると認識しており、キャリアガイダンスが非常に重要だと考えています。しかし、実際にメンターがいると回答したのは半数以下(52%)でした。

  • キャリア成長がZ世代にとって最優先事項であるにもかかわらず、調査対象の55%がキャリア育成プログラムに「月に一度参加するかどうか」に制約を感じています。時間が不足していることがハードルとなっています。

  • ターゲットとなるトレーニングについて尋ねた結果、48%が職務に関連するハードスキルのトレーニングを希望し、33%がソフトスキルのトレーニングに興味を持っています。

  • 約4人に1人(28%)が、自身のスキルが現在の役割で最大限に活用されていないと感じています。

Z世代が最も重視するのは、価値を重んじる従業員エクスペリエンスです

初期のキャリアを歩むビジネスパーソンたちは、自分らしくいられる職場環境を求めています。調査対象者は、ワークライフバランス、同僚との連帯感、公平な待遇を企業文化の最も重要な要素として挙げています。

  • Z世代は、インクルーシブな職場環境を非常に重要視しています。最も一般的な退職理由の1つは「上司や同僚とうまくいかない」(52%)であり、僅かな差で「給与が低い」(48%)が続いています。

  • 80%が職場で同世代の同僚ネットワークから強力なサポートを受けており、従来は話しにくいとされていたトピックについてもオープンに話し合えると感じています。具体的には、「仕事の満足度(87%)」や「給与(77%)」などが含まれます。

  • 現在、調査対象者の63%がオフィスでフルタイムで業務を行っており、オフィスでの体験が非常に重要だと感じています(81%がそう考えています)。

  • Z世代は、企業の価値観が職場エクスペリエンスを形成すると信じています。96%の回答者が自身の会社の価値観をよく理解しており、78%が自身の価値観と会社の価値観を調和させることの重要性を強調しています。

  • キャリア初期のビジネスパーソンにとって、企業の社会的責任は重要です。56%の回答者が社会的責任に関してオープンに議論する会社で働きたいと考えています。

  • 注目すべきことは、84%のZ世代従業員が、現在の雇用主が企業市民としての基準を満たしていると考えているということです。

Adobe Future Workforce Study(アドビ未来の働き手調査)調査手法 アドビはAdvanisと共に1011人を対象とした調査を行いました。米国の中規模から大規模の企業(従業員数750人以上)にフルタイムで勤務しているZ世代(1997年から2012年生まれ)が対象者であり、勤務期間は3年未満です。データはオンラインのサンプルパネルから2023年9月上旬に収集されました。
このブログは、2023/9/27(米国時間)にポストされたAdobe Future Workforce Study: What U.S. employers need to know about Gen Z in the workplace を、独自にリライトさせていただきました。

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