夫婦はどこまで夫婦なのか? 映画「マリッジストーリー」の感想

この記事はネタバレが含まれます。映画を楽しく見たい方は読まない方がよいかもしれないです。

キワキワの夫婦。

万引き家族が、キワキワの家族を描いたなら、
この映画はキワキワの夫婦を描いたお話し。

夫婦はもともと他人であり、最初は愛という感情でつながっているが、
愛は薄れていく。その先のつながりを夫婦と言えるのか?
そんなことが問いかけられているように思えた。

オープニングは、相談員の勧めで書いた、お互いのいいところをしたためた手紙のモノローグから始まる。
そこに描かれている2人は人間味があり、とても魅力的な人たち。

子供の親権をめぐって2人は対立を深めていく。オープニングと対比するように、お互いのウソ、ミス、不甲斐なさを的確に突き、相手にダメージを与えるように、戦う。

最後には、お互いを「殺したい」とまで言わせるような壮絶なケンカにまで追い詰められていく。そのケンカは勝者のいない悲しい罵り合いで、見ている私も胸がしめつけられるような思いがした。

ビートルズの後ろにいるオバケ

最後シーン、ハロウィンで、元妻の新しい恋人とその家族でビートルズの仮装をしている、その後ろでシーツを被ったオバケに扮した旦那。新しい家族の後ろについてくる1人の幽霊。
そして元奥さんが靴のヒモを結ぶシーン。
過去にしたためた手紙に書かれた絆は、2人の中に残っているのか?
2つのエピソードを残して、観客に問いかけて映画は終わる。

お互い尊敬し合い、愛し合った二人。
子供がいることで、取り合うことで、現在も傷つけ合い続ける二人。
契約だけでは割り切れない、お互いを思い合う気持ちは今も残っている。
夫婦とはなんなのかね。

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