図書委員会
中高時代、ミュージカル部で青春を過ごした話を前にnoteに書いたのだが、もう一つ中高6年間やり続けたものがあるのを思い出した。
図書委員会
反応のしづらい委員会ランキングNo1。
通称 ザ陰キャ委員会
中高時代、図書委員会だったって言うと大抵の人が戸惑いとなんとも言えない表情をするのが面白くて毎回自己紹介の度に言っている。
私の母校は部活は自由参加だったのだが、委員会参加は義務であり全員が参加していた。
図書委員会はダントツで人気がなくて、第一志望にすると必ずなれる委員会だった。
図書委員ってみんな眼鏡かけて、一つ結びでおとなしい決まりがあるのかしらないけれどみんな同じような見た目してた。
人気の高い委員会に入れなかった子達の受け皿でもあったので9割インキャ、たまに混じるヨウキャの対比が味わい深いのも図書委員会。
私は普通に本が好きなので好んで図書委員会に立候補していたのだが、6年間貫いたのは同級生で私を含め3人しかおらず、奇人変人しかいなかった。
図書委員会は基本的に舐められがちであり、図書委員は反抗しないため、謎に体育祭で「紙と1番触れ合ってるから」とかいう偏見で採点係をさせられたりもした。
いま思えば完全なる押し付けだ。体育委員会でやってくれ。
まぁ図書委員会はヨウキャの集いの体育委員会に文句は言えないので今年も母校の図書委員は採点をしているのであろう。
ミュージカル部と比べて図書委員は本当に地味なのですっかり存在を忘れていたのだが一応6年間やり切ったのだ。
誰も読まない図書委員おすすめの本!の冊子を制作するために感想文を書いたり(生徒に配られた瞬間、裏紙として落書きに使われる)貸し出し返却受付のカウンター業務(めったに図書室には人が来ないためやり方をすぐ忘れる)をした。
ミュージカル部という学校で1番派手な部活を続けられたのは、陰気で根暗で人見知りの集まりの図書委員会が心の拠り所になってたのかもしれないと卒業して数年経った今思うことだ。
ミュージカル部は毎日がジェットコースターで朝練から部活までの間で事件は何個も起きるし、同級生との話し合いで衝突するし、基本的に誰かしら1人はブチ切れてるし、喧嘩は絶えない。まぁ舞台に立つぐらいの人間なのでみんな気は強いし、そのぐらいじゃないとやっていけないのだが、本当に疲れるのだ。
図書委員会はなんだろう。基本的に時間の流れがミュージカル部の3倍ぐらい遅い。まったり。ゆっくり。本が好きなので他人に興味もなければ干渉もしない。ミュージカル部で泣いて鼻をふんふん言わせながら図書委員会にくる私を読んでいる本から一瞬目を離して見てすぐ本に目線を戻す。そんな感じだ。
まぁさすがに私がもうミュージカル部なんて無理!って泣き叫んでたら話を聞いてくれる優しさはある。
ミュージカル部があったから図書委員でいれたし、図書委員会があったからミュージカル部員でいれたのだと思う。
学校1の派手な部活と学校1の地味な委員会。
その二つが今の私の根っこ。
フランス革命の本を図書室で読んで、ミュージカル部で貧困にあえぎ革命をおこすフランス民衆N(私は基本的に役名のある役はできないし民衆の中でもモブのモブ)として日々を過ごした。
こんな雪の日は図書室に行きたくなる。
ミュージカル部は外で雪合戦をするのだろうけど、それを横目でみながら私は図書室に向かうのだ。
雪が積もるのを眺めながら本を嗜む。最高の時間ではないだろうか。
今日もきっと図書室は、静かに、穏やかに、ゆっくりと時間が流れるのだろう。