1年生編 鶯声凛る(前編) 〜防大生 葉方慎シリーズ〜
第1話 着校
ボクは今、東北新幹線に乗って東京に向かっている。
車窓からは見慣れた3本の鉄塔が立っている。
ほんの1ヶ月前までは地元では名の知れた高校の学生だった。
ボクは明日、防衛大学校に着校する。
3人の同級生と共に。
ちなみに、この同級生たちとはつい2週間前に知り合ったばかり。
「葉方くん、やっぱり不安?」
そう話しかけてきたのは、音羽あみ。
この子もやはり1ヶ月前までは地元では名の知れた女子高の学生だった。
「うん、まぁそれなりに、ね。よくわからない世