詩】「終末の部屋」

病棟に新たなお仲間がやって来て風潮している
「この世は薔薇色だ!」
声色の羞恥からしてその言葉は嘘だ

終末を迎えるうえで
突然  神を想像して怖くなったのか
自分の人生の肯定やら釈明やらで必死とみえる
白々しい明るさとその緊張感が痛々しい

奥様は呆れたご様子で
滑稽だわ!今さら格好をつけて!ほんと!
ワタクシには何の言葉もござんせんのよぉ!
周囲に大声で愚痴る

あいつが貴方に優しくなるとしたら
それはいよいよ天国への道が整ったときだ
たぶん最高にカッコいい台詞を考えているだろうから
そのときは優しく聞いてあげて欲しい

距離感の無しの古参が私の耳元で云う
彼は自己実現が不本意なので
化学調味料として生まれ変わるでしょう




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?