詩】「カリスマ」

晴天の或る日に変革の種子が一粒
空からゆっくりと降りてくる
彼だけがその瞬間 空を見上げていた

すでに彼は最強と最弱を兼ね備え  悪運を体現していた
触れ得ぬ霊を飛ばし  人々の足を地に縛る

己の肉体と神を試すような行為は絶対にしない
胃を守る為にコーヒーには必ずミルクを入れる
四肢を垂らし如何なる場所も楽園と知る

小雨の降った或る日に変革の種子が一粒
空からゆっくりと降りてくる
偶然にも彼だけがそれを手に入れた

やがて人々は目を剥くことになる
確信を持って動く彼の神懸かりに

彼の中ではすでに変革は完成した
夢の住人でありながら
もう夢を見る必要がないのだ

静かな息で赤子のオーラを放ちつつも
緊張により幾重もの死を経験し続ける
激しい発作を起こしながら人々を巻き込んでいく

ときに彼は自身の破滅さえも利用して役目を果たす
秘密の契約を守りながら


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