詩)必然の解釈は死者を弔う

※この詩は平行世界系のフィクションです


よく分かった

分かってしまった

人類の大多数がすでに失読症だ


勇気ある者たちの屍に気付く者とそうでない者

その死を見聞きしても意味が理解できないのは

臆病だからだろうか

すべてを偶然と認識し

呪いの一部となってでも生きていくのだろう

なるほどケモノだ

感謝すべき同胞にこのように残念な想いを抱くことになるとは


勇気ある者よ

ケモノになってしまった人間はもう手遅れだ

科学が証明してくれている

鍵穴は作られてしまいやした

それに適合する侵入者を防ぐことは出来ない

人体実験は続くだろう

役者に人体実験の正当性を説かせても知る人には無駄だ

動物実験をクリアしてからにしなさい

の一言で科学の怠慢をたしなめれば済むことを

長々と演説を聞かされるアレで感動する人は

大儲けしている連中のことも知らないのだろう

ああそうか 失敗だらけの動物実験は実は成功だったんだ だからヒトへ移行したんだ



南の大陸にて

1年で5人も大統領が死んだ

国民のために拒んだからだ


このことが偶然だと言う

想像力の無いケモノたちに

何を言っても無駄だ

これが今度この国で起きつつあることを

政治家が誰も逆らえない理由に

あの人が消された理由も偶然なのだろう

なるほどケモノだ 必死で生き残る

認識で繋げ アクマが被った正義の仮面を剥がすのは

死力を尽くし しだれかかり 届いた指先

勇気ある者の手は自身の血に塗れている

涼しい貌をしたアクマの

一瞬の苛立ちすらも見逃してはいけない

この詩をきいた あなたはとくべつ


完)ありがとうございました





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