詩)菩薩

もう灯ることのない幻燈
嘗(かつ)ては栄えたであろう奇妙な屋敷

運命を共有する恐ろしい速度と密度
引っ掻き傷の痛みが記憶には刻まれ
見栄っ張りの瞳でさえも
くたびれた風合いに染まる

喰われた者も喰わした者も
ドシャメンコと溢れた生命のながれで粋がった
ドンブラコッコと足掻いてみれば…


朝日が差し込む玄関に

せわしく響く母子の声

汚れるとも腐らず

生命のながれは多少おだやかに

今の君はただ与えようと欲す

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