見出し画像

【ICU/国際基督教大学】単位区分と計画的な履修のお話。

履修方法がかなり複雑なICU、案外計画的な履修の道筋を示してくれる場所へのアクセスが難しいと感じているので、ここにまとめることにするよ。
私と同じように、何らかの理由で単位数が足りていないと感じて焦るICU生や、1・2年生など履修計画に悩む人に、計画的に単位を取得する道筋を示すことができればとても嬉しいです。


1. 自己紹介と卒業要件

ID:26 袴ちゃん
ELA:ストリーム4(シープロなし)
メジャー:哲学・宗教学
入試方式:総合型選抜、英語外部試験利用型
自他ともに認める英語弱者、ど文系。
驚異の学期GPA0台を2回取った経験あり。
そのため、悲しいかな同期と比べても総単位数少なめ。
(でも卒業できる見込み!)

ICUの卒業要件:
必要総単位数:136(うち最低18単位を英語開講科目で埋める必要あり)
ELA・ジェネ・PE・ファンデ・エリアメジャー・エレクティブ・卒業研究の総合数。
各区分の単位ごとに必要な規定数がある。
これから、ICU map「Graduation Requirements Checklist」の並び順にそって単位の種類を1つずつ解説した後に、履修のポイントをまとめるよ。

※注意!
この note は2022・2023年度入学生、およびELA履修者用の ehandbook 卒業要件をベースとしています。
2024年度入学者は卒業要件が多少変更になる可能性があるので、詳しくは各自確認してください。

2. ELAの重要性(最大25単位)

ELAの単位はどのストリームでも落とさずに、1年生の間に絶対確保しよう。
これはどのICU生に聞いても同じ答えが返ってくるはず。
2年以降にELAを再履修することはリスクの塊で、希望メジャーのファンデやジェネ(後で説明します)が取れないことがある。
また、2年生になってから、既に出来上がっている1年生のセクションにひとり放り出されたときは地獄かもしれないよ。

※これはスト4を経験した人の個人的な考えだけど、スト4は一番コマ数が多い分取得できる単位数も一番多いので、少しだけお得感がある。
もしスト4に配属されて悲観的になっている人がいたら、実は良い点もあるってことを覚えておいて。

3. ジェネ(21単位)

Q. ジェネって何?
A. General Education、一般教育科目のこと。合わせて21単位必要。

シラバスを見て、コースナンバーが「GE」で始まるものがジェネの証。
各分野の入門編となる授業が多く揃えられているよ。
例えば、「GEX001」は全学生必修のキリスト教概論。
ジェネには、
・X(キリスト教概論・通称キリ概)
・H(人文科学)
・S(社会科学)
・N(自然科学) の4種類が存在する。
X・H・Sは各3単位ずつ、Nは6単位を必ず取る必要があるよ。
必須のものを埋めて、21単位中・15単位。
残りの6単位は、自分の好きな分野のジェネで埋めて大丈夫。

そしてややこしいけれど大事なポイントが、シラバスの科目タイトル。
タイトルに「H2」「S2」とあるものは要注意で、前に挙げた“必須”の単位に入れることができないよ!
必須の単位にカウントできるのは、「H1」「S1」「N1」「N2」のみ。
「H2」「S2」は、自分の好きなように取れる「残りの6単位」の中に自動的に組み込まれることになるので、よく考えて受講してね。
また、規定数を超えた6単位(2~3科目)まではエレクティブに含めることができるので、時間割が合えば多めに取っても大丈夫。

3. PE(2単位)

Q. PEってどういうふうに取るの?
A. 全部で2単位必要。
PEの実技科目は少し特殊で、1学期取るごとに3分の1単位取得できるよ。
春・秋・冬に開講されるPEを各1つずつ取ることで、ようやく1単位カウント。
もう1単位は、全学生必修の「HPE001・健康科学」(通称ヘルサイ)。
Health and Physical Education、保健体育科目区分。

PE(Physical Education)の実技はELAと同じように、できれば1年次に春秋冬の3学期連続で全て取っておくと楽。
セクメや友達と一緒に取るとモチベーションが続くよ。
でもELAと違ってかなりフレキシブルな時間割なので、万が一落単してもリカバリーは可能かも。

また、もう少し専門的なPE科目もあるよ。
リズムダンスや格闘技など様々がラインナップ。
春秋冬の必修PE実技の履修が終わってからしか取ることができないので、学年が上になったときのお楽しみにするのもあり。
こちらは2単位まで、エレクティブに含むことが可能。

4. ファンデ(18単位)

Q. ファンデって何?
A. Foundation、基礎科目のこと。
コースナンバー100番台。全部で18単位必要。
メジャーの要件になっていることが多い(後で説明します)。

「ECO101」「LIT117」のように、ナンバーが100番台。
ちなみに、よく「100番台・200番台・300番台」と呼ばれることがあるけど、これは科目の区分を表すと同時に、難しさの指標にもなっているよ。
基本的に好きなものを取っていいんだけれど、下記のことに注意!

① メジャー要件になっているものを確認
各メジャーには、2年次の終わりにそのメジャーを選択するために必要な項目があって、指定されたファンデを受講することが条件になっているメジャーが多い。

例えばARC(美術・文化財メジャー)だと、
ARC101 東洋美術概論 (秋開講)
ARC102 西洋美術概論 (冬開講)
ARC103 文化遺産・文化財入門 (春開講)
の3つのファンデのうち2つを受講して、その2つの科目の成績を平均して2.5以上にしないとメジャーに選択することができない。
※ARCはかなり厳しい方で、もっと簡単な条件のメジャーもあるよ。

各メジャーの詳しい要件は、ehandbookを確認してね。
メジャーによっては、条件のファンデを1年次から取り始めなければ厳しいものもあるので、しっかり要件を把握して計画的に履修することをおすすめします!

② メジャー/メジャーマイナー/ダブルメジャーごとの違い
ICUには、メジャーを決める際に3つの選択肢があるけれど、どれを選択するかによって必須のファンデ数が変化するよ。

・シングルメジャーの場合:
選んだメジャーのファンデを6単位。
例えば、EDU(教育学メジャー)を選択した場合は、「EDU1●●」の授業を計6単位取らなきゃいけない。

・メジャーマイナー/ダブルメジャーの場合:
選んだ2つのメジャーのファンデを各6単位ずつ、計12単位。
卒業に必要なファンデの数は18単位だけれど、メジャーマイナー/ダブルメジャーにすると、そのうちの12単位は自分のメジャーのものだけで埋まることになるよ。

また、規定を超過して取ったファンデの単位はエレクティブに自動的に加算されていくよ。
極論、エリアメジャー(自分のメジャーの200・300番台)が埋まってしまえば、ジェネ以外の自由に選択できる単位区分は、全て100番台のファンデで埋めても制度上は問題ないことになる(時間割上おそらく無理だけど…)。
「自分の興味範囲以外は良い成績を取れる自信がない…」って思ってる人は、積極的にファンデを取っていこう。

5. エリアメジャー(最低21単位)

Q. エリアメジャーって何?
A. Area Major、専攻科目のこと。最低21単位必要。
自分が選択したメジャーのコースナンバー200・300番台。
メジャーの取り方によって必要な単位数が変化する。

まだメジャーが決まっていない1・2年生には関係ないと思われがちだけど、効率よく履修を組むならばできるだけ早めに考えておいたほうがいい。
特に、自分の好きな分野があったり希望のメジャーが決まっている人は、それにそった200番台を埋めていこう。
1年次の春・秋学期のような、ELAが忙しい最初のうちから無理して取る必要はないけれど、余裕が生まれてきたタイミングでチャレンジしてみて。
2年次の終わりにメジャーを選択する際、エリアメジャーが少しでも埋まっていると、かなり気分が楽になる。
メジャーの取り方ごとに説明するよ。

・シングルメジャーの場合:
自分のメジャーで21単位必要。

・メジャーマイナーの場合:
メジャーは21単位、マイナーは15単位。
計36単位。
シングルメジャーと比べてかなり多く見えるけれど、その分エレクティブの条件単位数が減る。

・ダブルメジャーの場合:
卒業研究を行うメジャーは21単位、卒研をしないメジャーは30単位。
計51単位。
※ダブルメジャーでは、卒業研究(卒論)を実際に行うメジャーはどちらか片方のみ。
卒研をしないメジャーは、21単位+卒研に相当する9単位を埋める必要がある。
こちらもエレクティブの条件単位数が大幅に減る。

エリアメジャーの単位数は、エレクティブと大きく関係してくるよ。
このあとに詳しく説明します。

6. エレクティブ(最大40単位)

Q. エレクティブって何?
A. Electives、選択科目のこと。
自分が選択していない、専攻外のメジャーのコースナンバー100・200・300番台。
または単位規定数を超過したファンデ区分(100番台)。
またはジェネ区分の超過を6単位、体育実技の超過を2単位まで含めることができる。
ジェネやファンデのように必須要件はなく、何でも好きなものを取ることができる。

エレクティブは、メジャーの取り方によって必要単位数が変化するよ。
・シングルメジャー:40単位
・メジャーマイナー:25単位
・ダブルメジャー:10単位

エリアメジャーの条件単位数が多いほど、エレクティブに充てられる数が少なくなる。
つまり、メジャーマイナーやダブルメジャーを選択した場合、各メジャーのつまみ食いが比較的しにくくなるということだね。
特にダブルメジャーはエレクティブの要件が10単位だけど、これは大体4~5科目分。
ちょっと少なく感じる人も多いかも。

できるだけいろんな分野に手を伸ばしたいという人は、エレクティブが多く取れるシングルメジャーをおすすめするかな。
ファンデの項目でも書いたように、メジャーマイナーやダブルメジャーは、必然的に自分のメジャーの科目を多く取らなければいけなくなる。
逆に自分の好きな分野がはっきり決まっていて、「選んだ2つのメジャーに一直線になりたい!」と思う人は、エリアメジャーの単位が多く必要になるメジャーマイナーやダブルメジャーでも全く問題ないよ。

7. 卒業研究(9単位)

ICUでは、4年次に演習か卒論を発表することが卒業の必須条件となっているよ。
ここで、「卒論アドバイザー」の先生を1人選んで卒研を見てもらうことになる。

そして1点大事なポイント!
卒論アドバイザーになってもらう先生は、自分の専攻外のメジャーの先生も指名できることをぜひ覚えておいてほしい。
これは、自分の卒論のテーマに合う先生がメジャーにいない時に使える手段でもあるし、自分のメジャーの先生と相性が合わなかった場合の回避策でもある。
上手く使えると効果絶大かも。

8. 履修のポイント

各学年・学期ごと、特に1・2年次のおすすめ履修を紹介していくよ。
人によっていろいろな考えがあると思うけど、ここでは私の苦い経験から導き出した履修のポイントをシェアします。

① 1年次春学期
・ELAは絶対に落とさない
これは鉄則。春だけじゃなく、秋・冬もしっかり取り終わろう。

・PE実技を取る
ELAと同じように、春秋冬連続で取ってしまおう。
ここで注意点をひとつ。
1年次の春・秋は、ELAとPE実技科目だけの履修は絶対に避けて。
ELAは1年次の終わりに単位が確定するのと、PE実技は3学期分取り終わらないとそもそも単位にならないことから、学期のGPAが0になってしまう
学期GPA0台が通算4回 or 連続3回になると、アドバイザーと保護者との3者面談、最悪の場合退学が待っています。
どんなにELAが辛く他の科目を入れたくなくても、必ず他の授業を取って!

・ジェネ or ファンデを少し取る
どちらを優先するか、これは人によって考えが分かれるかもしれないね。
多くの1年生は、難易度や必須具合から最初はジェネを優先的に取りがち。
加えて、ジェネはELAの時間割と被らないよう設定されているものも多い。
でも、私はジェネはゆっくりでも良い派。
ジェネの授業は抽選になることが多く、実は学年が上がるにつれて当選確率も上がっていくことは知ってる?
(特に、N区分のジェネで「楽単」と有名な科目は激戦…!)
1年次は特に落選する確率が高いので、あまり急いでジェネを埋めてしまおうと思わなくても大丈夫かも。
逆に、気になるメジャーのファンデにチャレンジしてみるのも良いと思う。
1年次の終わりにメジャー選択要件を少しでも満たせていると、かなり安心感があるよ。

② 1年次・秋学期
体調との兼ね合いに注意
履修と関係ないと思われるけど、実は考慮しておいた方が良いポイント。
秋学期はICU祭が控えているので、サークルに力を入れている人は特に要注意。
ELA・その他の課題・サークルで忙殺されることになるよ。
頑張りすぎて体調を崩す人が続出する時期なので、無理しすぎないで。

・分野とメジャーの目星をある程度つけておく
ICUは、1・2年は気になる授業を色々取って、3年になれば全メジャーから好きなものを自由に選択できると勘違いされがち。
でも、実際はそんなことありません。
この時期から、希望のメジャーに行くためにはどの学期に何を受講しなければならないのか、シラバスと ehandbookを見てしっかり考えておこう。
例えば、希望をHST(歴史学)、LIT(文学)、PHR(哲学・宗教学)に絞って、各メジャーのファンデを取りながら相性を確認する作業を始めよう。
もし相性が合わないと感じても、ファンデやエレクティブの単位を埋めることに繋がるよ。

③ 1年次・冬学期
・200番台にチャレンジ
ELAのコマ数が少なくなったり、スト2の人はRWに進むので、少し時間に余裕が出てくる時期。
ここで200番台に挑戦してみるといいかも(ゆとりがあれば秋でも◎)。
無事に単位が取れれば自信にもつながるし、エリアメジャーやエレクティブを早い段階で少し埋めることができるのは、大きなアドバンテージ。

・RWを受講する時期を考える(スト3、スト4のみ)
2年次に受講することになるRWは、月火水金まさかの週4時間。
希望メジャーの選択要件の授業と重なってしまう人が毎年現れます。
RWは、春秋冬のうちどれか1学期、抽選で好きな先生を選択できるよ。
ファンデや取りたい授業との兼ね合いをしっかり確認してね。

④ 2年次・春/秋学期
・計画的に、落ち着いて考える
2年次はELAから解放されて、好きなものを好きなだけ取りたくなる時期。
気持ちはすごーくよくわかるけど、ここからが計画的な履修の正念場。
学期の最初に履修を組んだあとは、次の学期の履修も考えはじめよう。
見通しを立てて、自分が持っている選択肢を正確に把握しておくことが重要。
希望するメジャーを変更したくなっても、臨機応変に対応できるよ。
また、メジャーマイナー・ダブルメジャーを考えている人は、希望するメジャーの要件科目を把握してきちんと履修していかないと、冬学期末のメジャー選択までに間に合わない可能性が…!

・単位、GPAを落とさない
2年次、特に秋・冬からは落単はできるだけ避けて。
取り返せるチャンスがどんどん減っていくから、焦りだけが増えていく悪循環に陥ってしまう。
無理せずコンスタントに単位を取得するため、影響が出ない程度に授業や課題の手の抜きどころを掴んでいこう。
当たり前だけど、留学や長期インターンを希望する人は特にGPAなどに気をつけてね。

⑤ 2年次・冬学期
・悔いのないメジャー選択
いよいよメジャー選択の時期。
3年、4年になっても履修に困らないように、メジャーは学んでいて苦にならないものを選ぼう。
自分の好きな先生の所属だけで決めるのはかなり危険!
卒業研究の項目でも書いたけれど、卒論アドバイザーは自分のメジャー専任でない先生も指名できる。
メジャー自体は自分の興味関心にちゃんと即したものを選んで、エリアメジャーを心から楽しんで受講できるようにしよう。

※3年次以降は随時加筆していきます。

9. おわりに

ずいぶん長くなってしまいました。
頑張って分かりやすく書いたつもりだけれど、どうだったかな?
ここまで読んでくれた皆さんが、楽しく有意義なICUライフを送ることを心から願っています。
もし修正箇所や加えてほしい履修のアドバイスがあれば遠慮なく教えてね!

筆:袴ちゃん
(Special Thanks:クリス君・朱張君)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?