見出し画像

夏がきた

今日も気温は30度を超えている。
緩く入れていたエアコンを強めた。
年々、夏の気温が上がっていく。
半年前は雪が降っていたのに。
目まぐるしく変わっているように感じるのは
年齢を重ねたせいかもしれない。

人の成長は速い。
20年で大人の身体になる。
世間に認知されて活躍できる期間は数十年。
平均寿命が伸びたといはいえ、100年は超えない。
人類の歴史に比べたら、米粒くらいに短い。

子供の頃の夏は、たくさん人がいた。
どこに行っても、人の目があった。
今は過疎化をとっくに過ぎて、既に過疎地。
人の姿をほとんど見ない。

人生の終盤に、何を残せるのか。
そんなことを考え始めて何年経っただろうか。
勇者ヒンメルは、冒険後にどんな人生だったのか。
大きな偉業を覚えている人がいる世界は平和だったのかな。
現場を知らない人が想像する歴史はファンタジーだ。
楽しく想像できるなら、それでいいのかもしれない。

人はいないけれど、今日も海の風が吹いている。
人はいないけれど、山の神社には緑が茂っている。
何もないけれど。
心やさしい人の痕跡は 今もこの地に宿っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?