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ことわざ

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故事・ことわざのまとめ。思うこと。 日本人の文化として根付いてきたものは何か。 庶民の暮らし・平凡な生活の中で、大切にしていた目に見えないもの。 言葉の中にある忘れてはいけない何…
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2022年7月の記事一覧

男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲く:独り暮らしの男は 家事がおろそかになり 身のまわりが不潔になるが、女の独り暮らしはこぎれいで 周囲の人に もてはやされる。”やもめ”とは未婚者のことを差し、男と女の区別をつけた古い諺。人としての生活が心 豊かであれば 男女問わず華やかである。

知恵の鏡も曇る:物事が思わしい方向にいかなくなると、正常な判断がつかなくなること。鏡はありのままの姿を映すもの。様々な事情で貧しくなってくると、正しいことを歪んだ解釈をして自分勝手な判断をしてしまいがちになる。晴れやかな心で、ありのままを見てどうするかを決めるように諭している言葉

虎穴に入らずんば虎子を得ず:危険を避けていては、大きな成功も有り得ない。虎の子を取りたいと思えば、まず親虎が住む穴に入り 必死に守る親の爪や牙から身を守り 命を落とす事なく奪い取って穴から出てこなければならない。虎子は秘蔵の金銭や品物に例えられるが、奪い取るには覚悟と勇気が必要。

鰯の頭も信心から:イワシの頭のような粗末な物でも、厄除けと信じる人にとっては貴重なものになる。節分に鰯の頭を柊の枝と共に門に飾ると魔を祓うという言い伝えと習わしがあり、信心深い人に受け継がれていた。途絶えた行事もあるが、時代が変わっても信仰心は災いを避けたい人の心を支えている。

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当たるも八卦当たらぬも八卦:占いは当たる時もあれば 外れることもある。八卦とは自然界・人間界のあらゆる事物・性情が象徴される、8を掛け合わせた64種類の巡り合わせで、占いに用いられる道具。物事は見方によって変わる。星の巡りで結果は変わり先の事はわからない。占いの不思議さを表す言葉

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清水に魚棲まず:あまりに清らかで澄んだ水の場所では、魚は身を隠す場所がなく住処にはしない。理想や高すぎる目標を掲げる集まりで、規則や決まりに縛られて 身動きが取れなくなるとと居心地が悪い。個人的な付き合いで 押し付けもなく自由に寛大な心を持って付き合う人を大切にしたいと思う。

他山の石:自分とは直接の関係がない物事も、自分の行動の参考にできること。単なる石を宝石に変えるには、石を磨く為の砥石が必要。自分が宝石であるならば他人の石は砥石に、他人が宝石であるならば自分は砥石に たとえられる。将来のことはわからない。お互いに磨き合う友の関係でありたいと思う。

隣の花は赤い:同じ物だとしても、他人のものは何でもよく見える。他人の持つものをすぐに欲しがったり、うらやましく思うことがある。類語には「隣の飯は白い」 時代が変わっても人間の習性は変わらない。同じ物を持っているのであれば、自分の物を最大限に活かす方法を考える方が前向きだと思う。

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口と財布は締めるが得:おしゃべりはわざわいを招きやすいし、無駄遣いは後悔のもと。軽く口にする言葉は、雰囲気に流されやすく軽はずみな感情を言いやすい。買い物をする時、カードのリボ払いは楽だからと思いつきで買ったりすると返済に困ったりする。後々を考えて、口も財布も締めておく方が得策。

柳の枝に雪折れなし:柳の枝はしなやかに曲がり、雪の重みで折れることがない。固くて頑丈な強い木は、大雪の季節に雪吊り等の守りがなければ 木の本体まで折れてしまう。何らかの圧力をかけられた時、柳のように柔らかな対処ができれば、芯から折れることはない。大切なものを守るには柔和な心が必要

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去る者は追わず 来たる者は拒まず:去る者も来る者も、決めるのは行動する人の自由に任せるということ。自分から離れてゆこうとする人を 無理に引き留めはしない。自分を信じて頼ってくる人を拒んだりしない。心に任せて、決して無理強いはしない。自分の道を貫く強い王者の心得として伝わる言葉。

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人の痛いのは三年でも辛抱する:他人の苦痛なら、平気で見ていられることをいう。自分の痛みや苦しみが続くなら、我慢出来ずに なんとかしようと必死になれるが、他人が痛いと言っていても理解しようがなく、同情しなければ傍観するし無関心になる。良くも悪くも人間とはそういうものだと教えている。

いそがばまわれ:急いで目的地に到達しようと近道を行くと、道に迷い、返って遅く着くことになる。急いで物事をなしとげようとしている時は、気持ちがあせっていて見落としが多くなりがち。危険を含む近道よりも、安全確実な遠回りを選ぶ方が得策だということ。あわてずに落ち着いた行動を心掛けたい。

習うより慣れよ:習おうと気構えて 人や本から教わるよりも、気楽にし自分から練習や経験を重ねたほうが、よく覚えられる。物事を理論的に学ぼうと頭で考えると難しくなる。とにかくやってみて、言葉にならない経験を重ねて慣れてくれば身体が感覚を覚えて自然に動き始める。習慣は大事だという言葉。