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PMOあれこれ ~初心者PMOの方へ~

PMOの機能・役割はアプローチの仕方によってさまざまな分類ができます。よくあるのは、「支援型」「管理型」「指揮型」という分類ですが、今回は、未経験でPMO組織に配属されて間もない方が、最初に経験することが多い業務という観点で「事務局」「データ監視」「マネジメント支援」に分類してみました。

  • 最初に任されるのはプロジェクトの事務支援をする事務局PMO

  • 日々のプロジェクト活動の結果として出るパフォーマンスデータの監視

  • 経験を積んでいくと徐々にプロジェクトマネジメント支援


事務局PMO(組織プロセスの運営)

一番多いのは、会社や部門で定義されている組織プロセス標準を適切に運営するための事務局ではないでしょうか。会社組織であれば品質マネジメントシステムなどで定義した組織の標準的なプロセスがあるのが最近の主流だと思います。プロジェクト運営に関しても組織の標準的なプロセスが定められているはずです。

事務局PMOは、個々のプロジェクトに対して、ひとつひとつのプロセスが適切に実行されるようにプロマネを支援します。プロマネが自分のプロジェクトで組織プロセスをちゃんとまわすための負荷の一部をPMOが肩代わりするということです。

中でも多いのは、組織の上位者や事業責任者による審査や、プロジェクトからの報告を行う会議体の段取りだと思います。

事務局を担うために必要なのは、組織のプロセスと各プロセスの意義を理解することです。プロセスを理解した上で、プロジェクトが適切にプロセスを実行することを支援します。

データ監視とアラート

プロジェクトのパフォーマンスデータを監視して、データ分析の結果をプロジェクトにフィードバックして注意喚起したり、組織の上位層に対してエスカレーションします。

基本的なパフォーマンスデータとして、PMOが捉えやすいのは品質・費用・進捗ではないでしょうか。PMOが適切に監視するためには、プロジェクトに品質・費用・進捗を定量的に報告させる必要があります。あるいは、プロジェクトに適切なタイミングで定量的なデータを組織のプロジェクト管理システムに登録させる必要があります。
PMOは時には、プロジェクトに対してそういった働きかけをします。

プロジェクトのパフォーマンスデータを監視してプロジェクトや組織にアラートを発するためには、データを分析するスキルや、分析結果を正しく理解してリスクや問題・課題を読み取るスキルが必要です。

プロジェクトマネジメント支援

プロジェクトマネジメント支援といっても、初心者向けなのでプロマネ代行のような難しい話ではありません。プロジェクトのパフォーマンスデータの分析結果を見て、プロジェクトに助言をするというものでよいでしょう。

プロジェクトが計画通りに進行しているかどうかを定量的に分析した結果、どうすればいいかをプロジェクトマネジメントの視点と組織プロセスの視点で具体的に指摘できるようになりましょう。

この役割を担うためには、プロジェクトマネジメントの基礎知識を身につけた上でプロジェクトが今どういう状況にあるかを俯瞰的にみる必要があります。プロジェクトマネジメントの基礎知識はPMBOKなどで学習することをお勧めします。

まとめ

  • 最初に任されるのはプロジェクトの事務支援(事務局PMO)

  • 日々のプロジェクト活動の結果として出るパフォーマンスデータの監視

  • 経験を積んでいくと徐々にプロジェクトマネジメント支援

初心者に任されることが多いとはいえ、事務局PMOはとても重要な役割です。事務局として組織のプロセス遂行を担えるようになるとよいでしょう。

パフォーマンスデータの監視は、ある程度の分析・見解を自動で出す仕組みを構築している組織が増えてきました。配属先によっては苦労せずに役割をこなせることもあるかもしれません。ただし、データを自分で分析し状況判断して対策を立案するスキルを身につけておく方がよいでしょう。

プロジェクトマネジメント支援は、データ分析結果や定量的・定性的なプロジェクトの報告をもとにプロジェクトの状況やリスクを正確に把握しプロジェクトに助言や指導をできるようになりましょう。

どの役割を担うとしても、その先に目指すべきは高度なプロジェクトマネジメント支援になるでしょう。最低限PMPの取得と継続的な更新が求められると思います。

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