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BioPBSを使ったものづくりによるサステナブルな社会の実現

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生分解性樹脂BioPBSフィラメントを使った3Dプリンターによるものづくりへの挑戦の記録です。
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#デジタルファブリケーション

『ファブ3Dコンテストで【教育施設賞】を受賞しました🏆』

epis STEAM教育プロジェクト わかば深圳教室 デジファブラボ 『ファブ3Dコンテストで【教育施設賞】を受賞しました🏆』 慶應義塾大学SFC研究所ファブ地球社会コンソーシアム主催ファブ3Dコンテスト2021において、『教育施設賞』を受賞しました。 受賞ドキュメンテーションは下記URLよりご覧いただけます。 また、全受賞作品と講評は下記URLよりご覧いただけます。 去年のちょうどこの時期にこのコンテストのことを初めて知り、『こんな大きなコンテストで受賞とかできたら

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FORZEASの3Dプリント実験|1015|印刷設定の最適解|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりへの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

BioPBSフィラメントで造形する場合のスライサーソフトおよびプリンタの設定は下記の通りです。 3D printer: Creality Ender 2 Layer Height: 0.2mm Top/Bottom Thickness: 0.8mm Top/Bottom Layers: 4 Printing Temperature: 180°c Build Plate Temperature: none Build Plate Temperature: 30°c Print Speed: 1mm/s(bottom1) 2mm/s Fan Speed 100% Adhesion none Slicer Soft: Ultimaker Cura 最も苦労したのは最初の第一層目のプリント設定を見つけることでした。 1mm/sの印刷速度で射出される度にピンセットでビルドプレートに押しつけつつ、強粘度スティックのりで何度も貼り付けて上手く接着させることができれば、2層目以降は2mm/sに上げて印刷することで、高さ5㎝の筒状のオブジェクトのプリントも上手くできるようになりました。 10mm/s未満の印刷速度はスライサーソフトでは設定できないので、FR値を調整できるプリンタが必要になるので、敢えて古いEnder2を使うことにしました。

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デザインもクラウドで共有する時代へ|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

episわかば深圳教室のデジファブラボでは、ラボ生たちが自ら3Dcadでデザインしたオブジェクトは、全て著作権フリーで世界に発信・シェアしています🌏 SNSでテキストや音声、動画を発信・共有するのと同じように、今では自らデザインしたオブジェクトのデータ(.stl)を発信・共有することができます。 だから、例えば、地球の反対側にいる友人にレゼントを贈る時も、その友人の身近に3Dプリンタがあれば、自らデザイン・設計したオブジェクトを輸送せずに(プリントして)届けることができるということです。 そうなれば、タンカーや飛行機を飛ばして地球を汚すことなくオブジェクトを瞬時にどこでも共有することも可能になります。 そんな未来の物流イメージを、デジタルファブリケーションを通して実感していってもらいたいと考えています。

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Fabble|プロジェクトの記録|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

生ごみプレス製作プロジェクトをファブ3Dコンテストに出展応募するために、『Fabble(https://fabble.cc/)』への投稿作業に入りました。 このサイトは、「文脈やストーリーと深く紐づいたモノづくり(FAB)」プロジェクトのための、共有ウェブサービスです。 モノづくりのプロジェクト全体の進行を管理し、モノづくりの知識やその背後にある物語を、さまざまな粒度のコミュニケーションを通して包括的に記述・保存・蓄積・伝達していくことを支援します。(Fabble HPより引用) そこで、まずはコンセプトメイキングからオブジェクトの完成(未完成)までをプロジェクトの取り組み内容で仕切り、サマリーを仕上げました。 【サマリー】 プラスチックは、昔ビリヤードの球が象牙で作られていた頃に動物保護(環境を守る)の観点から象牙に代わる新しい材料として生まれました。 今回のこの生分解性プラスチックによるものづくりも、そういった私たちの生活においてプラスチックが共存できる新しい形(製品)を生み出したいと考え『生ごみプレス』を製作し、『コーヒーかす消臭ポット』や『ベッドサイドライト』など他の用途も考え出しました。 また、ゴミの量を減らすことも製作での重要な狙いと考え、生ごみの水分量を減らしたり、コーヒーかすのリサイクルできるようにしました。また、3Dプリント時に棄ててしまうラフトやオブジェクトの切れ端も、オブジェクトのパーツや分解観察の材料として活用できるようにして、製作段階で出るゴミの削減も実現しました。 チームとして参加するにあたり、教育機関としてデジタルファブリケーションを通して小学生や中学生にものを創造する楽しさだけでなく『プロトタイピング(失敗)の大切さ』『生分解性プラスチックへの正しい(化学的)理解』『(プラ)ごみ問題への課題意識と解決』『サステナブルな社会の実現に向けた自らの将来的役割(将来の夢の創出)』などエンジニア的・科学者的な思考を育んでいき、つかう側からつくる側に立って未来を切り拓いていくSTEAM教育プログラムの開発と拡散を念頭に置いて取り組んできました。 結果として、ラボ生たちの中には将来の夢として3Dプリンティングを通したものづくりを研究していきたいと自ら考えるようになり、具体的な進路(高校進学)決定に大きく寄与できるものとなっています。また、プロジェクト開始当初からプロジェクトの遂行や実験の様子をinstagram、note、youtube等SNSへ投稿していくことで、より多くの方々に生分解性プラスチックのことや、このプロジェクトのことを知ってもらうことができています。 そして、今回のプロジェクトを一緒に取組んだラボ生たちからも感想をもらおうとお願いしたら、一人のラボ生から以下のようなコメントをしてくれました。 【共享是发展的加速器『共有は発展の加速器だ』(中学3年生:N.Iさん)】 何もかもが新しく、わくわくも大きかったですが、前があまりにも曇っていて不安に思うところも多かったです。強度を確かめるにも、新しいフィラメントのため、実験を参考にするか、実際に作るしか強度を確かめる方法がありませんでした。ただし貴重なものをそんなに多く使うわけにもいかず、普通のフィラメントで確かめつつ、新しいフィラメントではどのような形が最も安定するかなどを先生に確かめていただきました。何度も繰り返すことでしか前進できないこの作業は、うまくいかないとどうしても気が滅入ることでした。しかしそういった中での仲間の共有、果てには世界への発信は、新たな発見を生み出す推進力でもありました。 このコメントをもらった瞬間、思わず『深圳という街の風土がラボ生たちのエンジニアとしてのマインドを育んでくれている』と強く感じました。 深圳の人口は1,343万人(2019年末時点)で、東京都の人口とほぼ同じで、1980年から約40年で42倍。また、深圳の成長速度は急激で「深圳速度(深圳スピード)」と呼ばれ、深圳GDPは香港の1%未満であった1980年2億7000万元から、40年で2019年2兆6,900億元へ1.4万倍に急速に発展してきました。 そんな深圳速度を実現できた要因の一つが『テクノロジーのオープンソース化』です。発明された技術は次の日には全体に共有され、既得権益に縛られず、そこから新たな製品が次々と開発・進化を遂げることで、大きな変化を作り出し、世の中をよりよくしようと考えられています。 このマインドは、生ごみプレスにも生かされており、著作権フリーで誰でも無料でSTLデータをダウンロードし、加工・販売できるようにしています。

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生分解性樹脂製フィラメントの3Dプリント実験|1008|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

【プリント設定】 3Dプリンタ:CREALITY ENDER 2 印刷速度:(底部4層)1mm/s、(側面)2mm/s 底部層数(bottom layer):4 ノズル温度:180° ビルドプレート温度:設定せず adhesion:無 初回のプロトタイピングでは、ノズル速度を3mm/sで印刷し底部の反り上がりがあったため、今回は底部の層数を4層、速度を1mm/sで印刷したところ、現時点では反り上がりは見られない。 しかし、側面の印刷が上手くいかず部分的に凹凸ができてしまっている。これは逆にノズル速度が遅すぎるためと仮定し、速度を2mm/sに速めてプリント中。

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デジファブラボの賑やかな1日|土曜日のオープンラボの様子をご紹介します|生分解性樹脂を使ったものづくり epis Wakaba Shenzhen Dibifab Lab.

epis わかば深圳教室のデジタルファブリケーション講座(通称:デジファブ)のオープンラボの様子をご紹介します。 この土曜日開講のオープンラボでは、チュートリアルコース・プロジェクトコースの全ラボ生が全員集まり、各々が自主制作に取り組んだり、プロジェクトを進めたり、VRゲームを楽しんだりと自由な雰囲気で行っております。 この動画は7月初旬に撮影したもので、中国でもコロナ禍のまだ大変厳しい状況でしたが、夏休みの特別ラボで製作するニンテンドースイッチ のジョイコン専用ホルダーに生徒のジョイコンがカチッとはまって大盛り上がり! また、チュートリアルコースの新しいラボ生が2名加わり、新しいクラスを追加で開講することができた時期でしたね。 さらに、三菱ケミカルさん提供のファブ3Dコンテスト用の生分解性樹脂フィラメントが教室に届いて、盛り上がりも最高潮に! コロナ禍で苦しい状況だからこそ、ラボ生たちはエンジニアとして、研究者として、ものづくりを通した世界のあらゆる問題解決に向けて新たなチャレンジに目を輝かせて前に進み続けています。

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つくる側になって自ら未来を切り拓く|3D CADによる デザインを3Dプリントするまでの流れ|生分解性樹脂を使ったものづくり epis Wakaba Shenzhen Dibifab Lab.

以前、元アメリカ大統領のオバマ氏が演説で『Don't just buy a video game, Make it !』と若者に訴え、『パーソナルコンピュータの父』と呼ばれるアラン・ケイ氏は『The best way to predict the future is to invent it !』という名言を残しました。 今回の動画では、3D CADでデザインしたオブジェクトを3Dプリントするまでの標準的な操作手順をまとめてみましたが、プロのSEでもエンジニアでもない私みたいな一般人でも生分解性フィラメントを使ってものをデザインし、創り出すことができる世の中であるということです。 そして、デザインしたオブジェクトのデータは、クラウド上に著作権フリーかつ無料でダウンロードできるように共有もでき、標準的な個人仕様の3Dプリンタさえあれば世界中の人々が船や飛行機、トラックといった物流を介さず瞬時にオブジェクトを手にすることができ、あらゆる側面で環境負荷をダイナミックに削減する可能性を持っています。 つかう側としてだけではなく、【つくる側】となって責任を果たせる人財をデジタルファブリケーションを活用したSTEAM教育プログラムで輩出していきます。

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コーヒー消臭ポット|生ごみプレス|Raw Garbage Press(prototype)|全パーツのプリント完了|生分解性樹脂を使ったものづくり epis Wakaba Shenzhen Dibifab Lab.

生ごみプレス(コーヒー消臭ポット)のプロトタイプ全パーツの3Dプリントが完了しました。 多くの時間と失敗を要しましたが、それによってしか得られない生分解性樹脂製フィラメントの3Dプリントに対する最適な設定を知ることができ、ファブ3DコンテストおよびMAKER FAIRE SHENZHENへの出展に向けた最終バージョンの3Dプリントを開始することができそうです。 『サステナブル』『マイクロプラスチック』『カーボンニュートラル』『ケミカルリサイクル』『サーキュラーエコノミー』など世界各国が持続可能な開発目標(SDGs)に向けて大きく舵を切り、環境保護活動ではなく、経済政策レベルで急速に変化を遂げ、新たな産業が芽生え始めていることを最近強く感じます。 そんな中でこの『生分解性プラスチックによる3Dプリント』も大きく市場を成長させていくと考えています。 3D CADおよび3Dプリントを活用したSTEAM教育は、ものを創造する楽しさや喜びだけでなく、プラスチックの性質・生分解といった化学分野の知見も自然と体得することができ、将来のSTEAM人財の育成において大変有効な教育プログラムであると、ラボ生である子ども達のデザインに真剣に取り組む眼差しや完成したオブジェクトを手にした瞬間の笑顔から確信しています。

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土の中でのプラスチック分解の観察を開始|生分解性樹脂BioPBSを使ったものづくりへ epis Wakaba Shenzhen Dibifab Lab.

3Dプリントで出たraft(ラフト)の切れ端を使って、生分解性樹脂BipPBSプラスチックが分解されていく様子をラボ生たちと観察することにしました。 畑から採取した土をラボ生たちに小分けして、その中にプラスチックの切れ端を入れて、土の中で完全に分解されていく様子を経過観察していきます。

生ごみプレス|プロトタイプ:05|生ごみの重さが32.4%減りました|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりへの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

ついに生ごみプレス|garbage pressの完成形にたどり着くことができました! 今後は、生分解性かつ植物原料ベースのBioPBS(生分解性樹脂コンパウンド)FORZEAS(フォゼアス)を使ったフィラメントで3Dプリントしていきます。これによって、全てのパーツを捨てることになっても償却処分せずに土の中で自然分解されてプラごみを発生させません。 3Dプリントがうまくいけば、いよいよファブ3Dコンテスト、そしてMaker Faire Shenzhenへの出展に漕ぎ着けるこ

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FORZEASの3Dプリント実験|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりへの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

生分解性フィラメント|FORZEASを使った3Dプリント実験を開始。プリンター設定は下記の通り。 【設定】 3Dプリンタ:CREALITY ENDER 2 印刷速度:3mm/s bottom layer:2 ノズル温度:180° ビルドプレート温度:設定せず adhesion:無 FORZEASフィラメントが非常に柔らかく、ビルドプレートに接着しにくいので、ノズル温度を180°、FR値を下げて印刷速度を3mm/sにし、強粘度のノリをビルドプレートに乾いてしまう度に塗り重ね、出力されたフィラメントをピンセットで押さえつけることで何とかbottom layerのプリントが上手くいくようになった。

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FORZEASの3Dプリント実験0919|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりへの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

生分解性フィラメント|FORZEASを使った3Dプリント実験2日目。プリンター設定は下記の通り。 【設定】 3Dプリンタ:CREALITY ENDER 2 印刷速度:3mm/s bottom layer:2 ノズル温度:180° ビルドプレート温度:設定せず adhesion:無 印刷時間22時間を経過して高さ約1cmまで印刷完了。底部外側に反り上がりが見られる。内側には反り上がりは無し。外側側面にいくつかの穴があいてしまっており、スライスデータ通りにプリントすることは、市販の個人用3Dプリンタでは相当難しいと思われる。※現時点で、Biopbsフィラメントをサポートする個人用3Dプリンターは開発されていない。

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生分解性樹脂BioPBSの分解実験|0920|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりへの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

生分解性樹脂 #biopbs™️ フィラメントを使った3Dプリントで出たサポート材を細かく切り、重曹とグリセリンを混ぜた液体に浸して電子レンジで加熱したところ、わずか30秒程度で部分的に分解が進んでいることが確認できました。 今後も、重曹とグリセリンの配分量を調整しながら、より効果的な分解速度が得られる実験を続けていきます。 通常、#プラごみ は自然分解はされず半永久的(ビニール袋だと約500年)に残り続け、生分解性樹脂でも完全に分解されるまで1〜2年かかるとされています。

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FORZEASの3Dプリント実験0921|バイオPBSフィラメントを使ったものづくりへの挑戦|epis Wakaba Shenzhen Digifab Lab.

生分解性フィラメント|FORZEASを使った3Dプリント実験2日目。プリンター設定は下記の通り。 【設定】 3Dプリンタ:CREALITY ENDER 2 印刷速度:3mm/s bottom layer:2 ノズル温度:180° ビルドプレート温度:設定せず adhesion:無 印刷時間76時間を経過して高さ約4cmまで印刷完了。生分解性樹脂BioPBSフィラメントでオブジェクトをプリントするのは本当に難しいが、だからこそ現時点でこのフィラメントを使って何を創ることができるのか、ラボ生たちと化学的・工学的な探究を続けていきます。