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自然のアクティビティを可視化する

NHKで始まった「映像研には手を出すな!」を録画して観ています。第1話は見逃してしまったのですが、第2話の内容が興味深かったので記事にしてみます。

放送の中で3人の主人公が風車を手書きアニメーションで映像化するシーンがあります。ただ風車が回っているだけの動画では「風が見えない」と様々な工夫をします。枯葉が舞う様子を加えるだけで風速まで感じられるのがとても印象的でした。

建築の中で「アクティビティ」というと人間の活動のイメージが一般的に強いと思います。公共建築や商業施設の中でも人の滞在するカフェやホールなどをガラス張りにして通りの見えるところに配置するという手法はよく見受けられるものです。

人間の活動だけではなく自然のアクティビティを表現する手法として最も有名なのは光でしょう。安藤忠雄さんなどは効果的に光を操作することにより、そこに流れている時間の速度さえも操っているように感じさせます。

最近ではフラッグやテントの布素材を用いて自然のアクティビティを可視化する手法もよく見受けられます。人間が滞在しない空間でも工夫により動きのある表情を建築に与えることができます。前述の「映像研には手を出すな!」を観た際にEurekaの障害者福祉事業所を内覧した時に庭に吊られているテントやキラキラと輝く天井を眺めながら、設計メンバーの稲垣さんと自然のアクティビについてお話したことを思い出しました。

長崎に内覧会に訪れた後も「自然のアクティビティの可視化」がしばらく気になり、地元の友達で開催されたBBQで日除けに設けられた布を眺めていました。トップ画像はその時にiPhoneで撮影したものです。

建築の空間体験を演出方法として、開口部、素材、ボリュームの操作など様々ありますが、人のいない静的な空間だけではなく、自然による様々動きを取り入れた動的な空間を演出する方法として「自然のアクティビティの可視化」は積極的に取り入れていきたい手法です。

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