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「腎」は「熱源」「若さの泉」「水と火、両方の性質をもつ」【新訳五臓六腑解説①】

私、以前からブログを書いていたのですが、自分は「これだけは書かない!」と、こころに決めていたことがあるんです。

私が書かないと決めていたのは、「東洋医学の教科書をまとめたような文章」

五臓六腑(東洋医学的な臓器の総称)の解説を、一度も書いたことがないんです…

東洋医学的な用語の説明も書いたことがないです。「気とは何か?」とか「肝鬱気滞について」とか。

…私が書かなくても、まとめるのが上手な人が書いてくれてるじゃないですか。

私のお役目ではないので書かないと決めていたのですが…人に言われて気づいたことがあるんです。

私が人に説明している東洋医学の解釈は、ネットを調べても、どうやら出てこないらしいのです。

「えっ!まじっ!」と思ったのですが、どうも私、五臓六腑に関して、独自の解釈をもっているみたいです。

なので、私の発信する五臓六腑の解釈は、あくまで私の視点からみた東洋医学ということを、ご理解いただきたい。

「どの本に載っていますか?」とか聞かないでくださいね。

情報の正確さよりも、自分がいかに「からだ」というものを理解するかが鍵だと思うのです。

私の書く文章が、誰かの身体観を養い、ご自身のかりだ、こころと仲良くなるために役立てていただけたら嬉しいです!

それでは、「腎」の解説からいきましょうか!

「腎」ってなに?

西洋医学的なイメージだと、腎臓はおしっこを作る臓器と考えている方も多いかも知れませんが、東洋医学の解釈ではちょっと違います。

腎は水を調節する臓器という認識は一緒なのですが、東洋医学の解釈で知ってもらいたいのは「腎はからだの熱源である」ということ。

熱源とは何?という説明をさせていただくと、みなさん、料理をするとします。スープを作るとイメージしましょうか。

スープを作るのに、具材があって、鍋があって、水がああって、ガスコンロが必要だとしましょう。

鍋に水を入れて、具材を入れて、ガスコンロの火にかけてグツグツ煮ると…

この時の「ガスコンロの火」が熱源である「腎」です。

鍋が「胃腸」、具材は気や、血になる材料。

ちなみに、グツグツ煮て、鍋の上に立ちのぼる「湯気」が「気」です。

「腎」は元気の源「命門」

水が温められ、沸騰して勢いがあるほど気もたくさんできると。火の勢いがなくなるのが「老化」

だからこそ、「腎」は元気の源、命の門と書いて「命門」と例えられることもあります。

イメージわきましたか?沸騰するくらい、火に勢いがあることが、若いという感じ。「若さの泉」なんです!

腎は「成長」や「老化」を主る、中心的な役割があると、昔の人は考えたわけです。

腎は「水」と「火」の性質を併せ持つ

腎は水をつかさどっているのですが、熱源によって水の勢いをコントロールしているもいうイメージ。

そして、水は水でも、人には体温があって、温かい水を全身に巡らせるための、湯沸かし器的な役割があると。

熱源の勢いが強ければ強いほど、水の流れは増して、からだ全体に温かい水を巡らせることができると。

からだを護る「オーラ」のような膜を作る

からだを覆う、邪気が侵入しないためのオーラのような膜があると東洋医学では考えているのですが、熱気があって、水に勢いがあるからこそ、防衛する膜が厚くなるようなイメージ。

防衛する膜のことを「衛気(えき)」と言います。衛気は腎から生まれると考えているのです。

ちゃんとイメージできましたか?

「水」も「火」もコントロールしているのが腎。

からだに「潤い」を与える

他にも、からだを潤わせているのも、腎の働き。

粘膜を保護したり、唾液を出したり、関節を潤して関節の動きをスムーズにしたり。ネバネバする体液をつかさどっています。

ヘバーデン結節など、指の関節が腫れてしまうのも、腎の機能低下から起こることがあるのですよ。

腎が不調になると、からだが捻りにくくなる

腎は、腰にあって、左右に一対存在していることは、きっと誰しも知っているはず。

腎の症状がある場合、椅子に座ったり、正座した状態でからだを捻ると、捻り方に顕著に左右差が出ることが多いです。または、どっちにも捻りにくくなっていることもあります。

どちらも捻りにくくなっている場合、おしっこが近くなったり、尿漏れが起きたりしやすいんです。

腎は呼吸を深くしたり、グラウンディングに役立つ

また、腎は呼吸にも関与しています。

腎の働きに「納気」ていうものがあって、息を深く吸い、からだの下の方に息を下降させる働きが納気作用の大きな役割。

肺は汚くなった空気を外に排泄するイメージ。腎も呼吸に関与するけれど、深く吸う力は、腎がつかさどっているんです。

喘息も、肺だけではなく、腎も関与することが多いのですよ。必ずしも肺だけの問題じゃないことが多いです。

納気して、気を下に下に引っ張ってくる「根っこ」みたいな感じでしょうか。

重心を深くし、グラウンディングというか、自分が浮き足だたないように繋ぎとめてくれる根みたいな感じ。

腎が病むと「恐れ」の感情が出やすくなる

腎が病むと「恐れ」という感情が出やすく、外に出たくないとか、人ごみが恐いとか、このままどうなってしまうんだろうみたいな恐怖心が出やすくなるんです。

運気を拓く、開運の臓器!?

ここから、私独自の解釈なのですが、自分の人生を変化させる「運気」ってありますよね?

私が日々人のからだを診ていて、「あっ!この人、人生が停滞しているな」とか「あと少しで、問題解決の糸口が見えるのに!」と感じた方は、この「腎」を補う施術をすると、すっと道が拓けたり、一歩先に進みやすくなるように思うのです。

なので、個人的に「腎」は、運気を拓く、開運の臓器なのではないか…と思っています。

「腎」のまとめ

…ここまでの説明で、なんとなく腎のイメージをつかめたでしょうか?

キーワードは「熱源」

西洋医学とイメージが違うと思いませんか?

老化していくと、体温が低くなったり、活動が低下したり、やる気がなくなったり、腰が痛くなったり、からだの柔軟性がなくなったり、粘膜が潤わなくなったりしますが、原因は「腎」にあることが多いんです。

熱源であって、若さの泉が腎だと理解するとわかりやすいのではないでしょうか。

これでひとまず腎の解説は終わり!

大切なことは、自分のからだをイメージすることです。

からだのイメージができあがってくると、どんな時にどんな症状が出るのかわかってくるはず。

細かいことよりも、大きなイメージを持つことが大切です。

五臓六腑の働きをイメージできると、症状の原因を考えるのに役立ちますよ。

是非、ご自身のからだに目を向け、自分のからだをイメージでとらえられるようにしてくださいね。

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