ブックガイド(140)「LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花」

「村祀り」系シリーズ第二段

今回は「人形婚」がネタ。
「青森の旧家で起きた火災の現場から、“変なもの”が発見されたので調査してほしい」――
現場に潜入した清花たちが目にしたのは、焼け残った土蔵に保管された14体の花嫁人形だった。
謎の鍵を握る屋敷の当主は焼死。
人形の秘密を探っていく中で、清花は戦慄の真相に辿り着く!
今回もグロテスクなネタだが、「猟奇犯罪特捜班シリーズ」との違いは、ラストのどんでん返しで、動機が明らかになったあと。
ヒロインは捜査を通じて、今まで知らず知らずに犠牲にしていた家族との関係を見直し、気づき、修復するきっかけを得る。
どんなに奇妙な事件や事案を扱っても、決して後味が悪くならないのが見事。そうして、読者は内藤了の作品世界に囚われていくのだ。
こんな作品、書きたいぜ!

「LIVE 警察庁特捜地域潜入班 鳴瀬清花」

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