ブックガイド(2)「マフィアへの挑戦(1~20)」(ドン・ペンドルトン)訳 池 央耿・高見 浩 創元推理文庫

(2004年 02月 23日「読書記録゛(どくしょきろぐ)」掲載)
 ベトナムで狙撃兵としてマークスマン勲章を与えられたほどの活躍をしたマック・ボランが故郷に帰ると、家族はマフィアに殺され、妹は辱められていた。ボランはマフィアに潜入し組織を壊滅させる。だがそれは、マフィアとの闘いのほんの第一歩にすぎなかったのだ。

 いわゆる「死刑執行人シリーズ」である。いや面白いのなんのって、あの大藪春彦が、まるで俺が書いているみたい、といって夢中になったというほどのアクション小説である。俺は当時高校生。
 銃のリアルな描写、セクシーな女達、流血のバイオレンス、思い出すだけで血がたぎるぜ。ただし、小説として面白いのは下記に上げた20冊。これは本人が書いてます。
 その後、ハーレクインから出てたのは無名の新人たちが延々と書き続けた「マック・ボラン」シリーズで、コミックなんかにもなったようですが、そのころにはすっかり熱が冷めてました(笑)。
 とはいえ、本人が書いた20冊は、アクション小説として白眉です。当時、主人公が(9巻から)使っていた44オートマグは各モデルガンメーカーがこぞって売り出したものです。私は、MGCのブローバックモデルが欲しくて仕方なかった記憶有り。
 ちょうどあのころ、レモシリーズとかアクション小説のシリーズが創元推理文庫から立て続けにリリースされていましたね。特に「4巻 裏切りのコート・ダジュール」は個人的には一番の傑作だと思う。セクシーさも一番です。
 創元社からまだ出てるようなら未読の人は即買いですな。映画よりもマンガよりも楽しめる。未読の人がうらやましいよ。
『マフィアへの挑戦1/戦士起つ』
『マフィアへの挑戦2/抹殺部隊』
『マフィアへの挑戦3/仮面の復讐者』
『マフィアへの挑戦4/裏切りのコート・ダジュール』
『マフィアへの挑戦5/サドの末裔』
『マフィアへの挑戦6/三人の女』
『マフィアへの挑戦7/フォクシー・レディ』
『マフィアへの挑戦8/死を呼ぶカジノ』
『マフィアへの挑戦9/カリブの回転木馬』
『マフィアへの挑戦10/逆説の街』
『マフィアへの挑戦11/バレンチナ我が愛』
『マフィアへの挑戦12/黒い瞳のクラウディア』
『マフィアへの挑戦13/抹殺部隊ふたたび』
『マフィアへの挑戦14/フィラデルフィア・パニック』
『マフィアへの挑戦15/月曜日:還ってきた戦士』
『マフィアへの挑戦16/火曜日:憂い顔の騎士』
『マフィアへの挑戦17/水曜日:謀略のシナリオ』
『マフィアへの挑戦18/木曜日:悪魔の要塞島』
『マフィアへの挑戦19/金曜日:禿鷹の饗宴』
『マフィアへの挑戦20/土曜日:戦士よ永遠に』

 私の創作遺伝子に刻まれた作品でした。

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