創作エッセイ(18)時代劇オーパーツ

(2006年 04月 11日 「読書記録゛(どくしょきろぐ)」掲載)
 以前から良く訪れるインターネットのサイトの掲示板(2chじゃないよ)で以前話題になったのが、「時代劇オーパーツ」。
 もともとオーパーツとは、その歴史時代とそぐわない発掘物や痕跡のことで、オカルト関係でよく使われる。例えば、「ピラミッドから出てきた壺は古代の電池であった」とか。
 では、この「時代劇オーパーツ」とは何かというと、テレビの時代劇で思わず出てしまった現代語や現代の痕跡のことである。
例)
英語使っちゃったタイプ
「ご隠居、ピンチです」
「こら八兵衛、またサボってたな」
現代的表現をしちゃったよタイプ
「下手人は"目が不自由"なんじゃないのか」
痕跡タイプ
「この桜吹雪が目に入らねえか!」とまくった二の腕の予防接種の跡。
ちょっと色っぽいところでは、おきゃんな町娘の着物の尻の下着の線とか。
ロケのハプニングもの
足軽の腕にスウォッチなど。

 ドラマなどでは決定的な瑕疵になるこの「時代劇オーパーツ」だが、CMや広告コピーで、確信犯的に使ってみるのも面白いだろうなと思う。15秒の中で、例に挙げたようなケースをたたみかけて、最後に落ちをつけるわけだ。このアイデア、誰か使ってくれ。
※以上、一昨年、勤務先の社内報に書いた文。で、社内報、二号で廃刊(苦笑)
※思えば、「真夜中の弥次さん喜多さん」が、まさにこれだよね。

(2023/10/04 追記)
記事で語っている掲示板は、藤井浩さんのサイト「そこはか通信」の掲示板。90年代後半から、一癖も二癖もあるサブカル系のアマチュアライター達が集って盛り上がっていた。
藤井さんは若くして亡くなられたが、あの頃の連中が、今でもネットで活躍している。この思い出に関しては、一度書いてみたいと思う。

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