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そくどく文庫ってサービス作ったらハズしたのであえて振りかえってみた

「そくどく文庫」というサービスを、2019年8月17日に公開しました。
ほとんど人に使われることはなかったのですが、あえてここでは「どんな流れで作られ」「どこが失敗のポイントだったか」に焦点を当てて、振りかえってみます。

どんなサービス?

そくどく文庫は、「本を読むのが好きだけど遅い」という僕の悩みから考えたサービスです。

一言でいうと、「著作権の切れた本を取得して、再生ボタン一つで、パッパと表示して本を読むことができるサービス」です
イメージが付きづらいですよね。ざっとこんな感じです。

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速読の様子は、こちらのツイートにある動画をご覧くださいっ!(30秒くらい)

いつ、どうやってアイデアを出した?

アイデアを思いついたのは2019年6月30日です。

きっかけは、夏目漱石の「こころ」をオリエンタルラジオの中田さんが解説している動画を見たことでした。

この動画を見て「こころ」に興味を持ったのですが、同時に「読むのに時間かかるしなぁ」とワガママな感情も芽生えまして。。

で時間かけずに読む方法を模索した時にふと、この記事の内容を思い出しました。

文章を読んでいる時間のうち実に80%が物理的に眼球を動かすことに費やされており、実際に文章を読解する処理には20%の時間しか充てられてないことが明らかになっています。言い換えれば、視線を動かして単語を取り込む作業に費やす時間が理解全体のスピードを遅くしているということになります。

つまり、本を読むときに「眼球を動かさず、文章を動かせば読むのが速くなる」らしいのです!

ここで紹介されている方法なら速読が実現できると思い、開発を始めました。(開発ちょっと前にこんなこと書いてたみたいです)

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開発を始める

実現方法がなんとなく分かってきたので、実際に開発を始めました。
その時の様子↓

もっとも重要な、単語をパパッと表示させる機能から作りました。
そして早速Tweetして反応を見ました。

それ以降の流れもこのTweetのスレッドにひもづけていますが、簡単に流れを書くと、、、

1. 単語をパパッと表示する機能作る
2. 青空文庫(著作権切れの本を無料で公開するサイト)から本や作者の情報を取得
3. 本の一覧ページ、詳細ページを作成
4. 楽天のAPIと紐付けて本の購入リンクをつける
5. 本の文章を縦書き表示。速読機能を反映
6. 検索機能実装
7. 本一覧の無限スクロール実装
8. メンテ用に管理画面作成
9. ページ導線の改善
10. エラーが起きた場合にメール通知する機能作る
11. そくどくモード機能開発
12. 途中から読む機能開発
13. OGPやSNSシェア導線を追加
14. ページスピード改善を行う

長くなりましたm(_ _)m

開発開始からリリースまで、1ヶ月半くらいでした。

(リリースは緊張するので、質の向上を理由に開発期間を延ばしたりしちゃったりしました。←悪い癖)

開発中はとても楽しかったです🥰

速読は出来るが内容は入ってこない!?

リリースは、2019年8月17日にしました。
結果はまったく使われなかったのですが、ここでは2つの軸から原因を考えていきます。

1. ニーズ(1~10点):そんな悩みあるある!そんなサービス欲しい!
2. ソリューション(1~10点):このサービスで解決!

例えば、、、

ニーズ:移動が時間かかって面倒 → 共感!10点!!
ソリューション:どこでもドア → 最高!10点!
ニーズ(10点) × ソリューション(10点) = 100点!

これを「そくどく文庫」に当てはめてみると、、、

ニーズ:本を読むの速くなりたい! → 共感!8点!
ソリューション:そくどく文庫! → 読みづらい!2点!
ニーズ(8点) × ソリューション(2点) = 16点😭

みたいに考えています。
つまり「速読したいニーズ(需要)」はあるけど「解決策(=そくどく文庫)は微妙」だったな、と。

いや、ちゃんと速読は出来るんですよ。。。
スピード上げても何が書いてあるか速く読めるんです!
...でも、なんだか内容が入ってこないのですね😂(試したい方は以下のリンクをどうぞ!)

厳密に言うと、
そくどく文庫を使うと素早く文章は読めて理解も出来るが、小説のように想像/思考をする必要がある本を読むことは難しいです。

これが開発前には分からない誤算でした。

結果、ソリューション(解決策)としてはイマイチになったのかなと思います。

おわりに

最後まで読んでくださってありがとうございます。

僕は今後もサービスはたくさん作っていきますが、当然ながら失敗作の方が多くなります。

で、その失敗作が「恥ずかしい」で終わらず別のかたちで価値が出たらとてもお得だなぁと思ってツラツラこんな記事を書いてみました。

サービスは失敗しても、
・サービス作りのチュートリアルに変換したり
・サービス作りのHowToに変換したり
は出来そうだなぁ、と。

はい、おしまい。

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