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自分のための物語

ムスメくんが23歳になりました。

この前産まれたと思ったらもう23年。
時の経つ速さにびっくりです。

2年ほど自立して暮らしていましたが、今は実家に戻ってきています。

さすが23歳
ずいぶんオトナになって、そうは見せないものの
心も身体も疲れきって帰ってきました。

一人っ子で育って
母子家庭になってママを支えると10歳で決めて
寂しいと一言も言わずけなげに頑張ってきて
10年前にママを守ることを笑顔で新しいパパに任せ
突然弟と妹の姉ちゃんになって、手本になろうと頑張り
私が弱ると代わりに怒り、泣きもする

そんな重荷は下ろして一人前の重さで自由に生きていいよ
…と送り出したのに。

仕事で背負って、恋愛で背負って 身体と心を壊して
どんなに「そこまで背負わなくていい」と言っても
止めれないでいました。
きっと自分もそうしてしまうから何にも言えず
見てるのがこんなに息苦しいのかとやっと知ったほどでした。
ムスメもきっとずっと同じ思いで、
私をなんとか助けようとしてくれていたのだな……
今やっとわかるような気がします。

そんなヘトヘトになるまでやりきった二人で
ここ数か月、ゆったり時間を大切に過ごせました。

ドライブしたり、たくさん話を聞いたり
ショッピングしたり、おしゃれなカフェに行ったり

いろんなものを取り戻すように

でも、二人とも今までのどれも悔いてはいません。
一生懸命すぎるほど、大切な人のために頑張り尽くした
二人だからこそ輝いて見える景色です。

それでもこれからは二人して
自分のための物語を生きようとしています。

最初は、自分って何?どれ?から始まりましたwww
私には…きっとムスメにも
「自分」という輪郭を知ることが一番難しいのです。

大切な人とおんなじように自分を大切に扱うこと
誰よりもいつも自分が自分の一番の味方でいること
それを「わがまま」と自分を裁いたり責めたりしないこと
そんなことから始めてみました。

「自分を大切にする」という初めてのことに
もがいている私の姿をムスメに見せることは
母親として初めての「お手本にしてもいい背中」だったかもしれません。

「自分」という輪郭がやっとわかると
「自由」というものも見えてきました。

自分の物語は、心のままに自由に紡ぐことができるんだ!
もしかしたら普通のことに
二人してやっとワクワクできるようになってきました。

50歳の母と23歳の子で
自分は何が大切なのか?何を現わして生きていたいのか?
自分だけのために探す喜びを初めて感じながら試行錯誤しています。

引っ越し荷物を片付けながら、ご飯を作りながら、景色のいいカフェで…
いつも二人でずっとそんな話をしてきた数か月でした。
お互いやっとわかってきた「自分の物語」の最初の一歩を踏み出すために
取り戻した母子二人の物語だったのかもしれません。

今日、ムスメは新しいお仕事のために福岡へ旅立ちました。
小学校の修学旅行以来の新幹線、初めての一人旅に
本人はオタオタ、私はハラハラでしたが
なんとか無事に到着したようで一安心です。

どうやらまた一人で歩き出したようです。
今度は自分の物語を楽しめますように。

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