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「共感を呼ぶ秘訣は“裸”になること」ゴキゲンクリエイターが語るライティング哲学

Instagramやnoteを通して、セルフヒーリングのヒントを発信されているゴキゲンクリエイター・ノリコさん。
ノリコさんの言葉は多くの人にとって心のエールになっています。
 また、天狼院ライティングゼミ(*1)でグランプリを受賞するほどの実力の持ち主。
そんなノリコさんに、ライティングに対する想いや今後の展望をお伺いしてみました。
(文:櫻田奈都子)
(*1)天狼院書店主催のライティング講座。累計受講者数は19,000 名以上にもなる。


自分にできることは、「自分が得た教訓を伝えること」

ノリコさんがライティングを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

Facebookとかmixiで昔の友だちに現状を報告するために文章を日記風に書いたりしてたんだけ
ど、ウチは家族構成がちょっとややこしくて、そういう状況を説明したり、元気にしてるよって伝えてたのが最初かな。
自分の文章を公に公表する気は全然なかったんだけど、子育ても終わったし人生最後に何か一
つしてもいいかなと思ってね。自分には何ができるかねっていうことをずっと考えてたときに、自分がやってきたこと、教訓というか気持ちっていうか、どんな風に考えたら壁を乗り越えられたかっていうことを伝えるのが自分に一番できることかなって。
やりたいことの見つけ方を村(*2) でずっと指導してくれる人がいたんだけど、「書く」のはいいねってなって書いてみようと思った。
それで、インスタを始めてもいいんじゃないかって、ウチの子が言って。あの子は早くからインスタをやってて、フォロワーさんも多かったからね。インスタはママにも合ってるでしょうってことでやってみたっていうだけで、「わたしはライターになって〇〇する!」とかっていうのはなかったね。書けたらいいなって。
それでまあ、どうやったらそれをプロっぽくできるのかなって思って、天狼院もやってみたよって感じかな。

―天狼院ライティングゼミに参加中は、ライティングに夢中になって書いていた状態でした
か?

ううん、その逆で天狼院は夢中になれなかった。
「相手のことを思いましょう」とか「感想にならないようにしましょう」とか、いろいろテクニックを教えてくれているんだろうけど、それを入れなければいけないと思って小手先を使い出したら、自分の言いたいことでなくなってくる。
「もうこうなったら私の言いたいことじゃない」とか「こうなったら私の気持ちは乗ってないな」っていうのがあるから、私はあんまり好きではなかったね(笑)

*2「ファーストペンギン村」というオンラインサロンの略称。ライフスタイルを優先して時間や場所にとらわれない働き方を目指している人々が多く在籍している。


何回か教えに合わせて書いてみたけど、もうなんか途中で嫌になってきて。「相手を思って書け」とか「感想じゃない部分を書け」って言うんだけど、それは書いてるし、あなたが読めてないだけでしょ!ってね。添削する若い人には届かないかもしれないねっていうのはあったりしたから。

―型にハマりに行って、自分の文章が自分の文章でなくなる苦しさ。分かります3ヶ月
間のゼミはどのように乗り越えたのでしょうか。

最初の頃は書きたいように書いて、別にそれが受からなくてもいいやって。途中であんまりにも縛りが出てくるから型を合わせようとしたけど、それはそれでメンタルが疲れた。
添削だけしてもらって、「こういう風にしか聞こえない人がいるんだな、なるほどね、ありがとありがと!」って思って自己否定はしなくなったかな。
でも、インスタとかnoteとかに載せたら村の友だちとかが「なんでこれが落ちるのかが分からない」とか「ここの部分が刺さった!」とか「読んでこんな風に思ったよ」って言ってくれてね。ちゃんと意図を理解してくれる人がたくさんいるっていうのは分かったよ。

共感性を呼ぶ秘訣は「自分の心に対して“裸”になる」こと

私もノリコさんの文章に共感することが多いです!共感性を高めるために意識している
ことはありますか。

あるって言えば、「正直に書く」。自分を飾らない。景色と人は自分の目で見たように飾るかもしれないけど、自分に起きた心の中のことは飾らないから、たぶん共感してくれるんじゃないかな。
私、自分の心で起きたことを見るのはあんまり怖くないと思ってるから。自分のネガティブなところとか。それは人生の中でたくさん勉強してきたからだと思う。
ボディセラピストをやってた頃があって、ハワイのロミロミっていうマッサージなんだけど。人の体を触るし、言えば裸を知る、等身大の身体を見せてもらうでしょ。その時に思うのは、服着て化粧をしていれば「この人は細い」、「この人は綺麗」とか人それぞれ違うけど、脱げばみんなそんなに変わらないのね。
手は手だし、背中は背中だし、腹は腹だし、脚は脚。差をつけようとして綺麗にしたりダイエットしたりするのは別にいいんだけど、「“脱げばみんな一緒”は心も体も一緒だね」っていう意識があるのね、私の中には。だから恥ずかしさがないんだろう。みんなは、外に見せている自分を自分として認識してほしいから、「これは言っちゃいけない」、「これはこういう風に言わなくてはいけない」っていうのがあるけど、それは飾りだからね。
共感を呼ぶということは、文章が“裸”なのだと思うよ。みんなハッと気づくんだろうね、外側を飾りすぎていて忘れていることを。

確かに、ノリコさんの文章はかも。もし、違和感を感じた文章があったら、それは
すぐに消すのでしょうか。

私ね、自分の文章がすごい好き(笑)何回でも読むよ。例えば、昔のFacebookも読む。自分の中で古くならない。ダメ出しがない。そのときの自分に戻れるし、「だよね〜!」って思うし。
書いた文章は歩んできた人生そのもの。あんなに長く書いているのに余分なものは無いんだよ
ね。「ここを誰かにこう見てほしい」っていうのがないのかもしれない。
それがまた、なかなか面白いのよ、私の人生ってやつは。たぶん、3人分ぐらい面白いんだよ
(笑)

「“裸”になっても恥ずかしくないし、楽だよ」ノリコさんが伝えたいこと

「自分の文章が好き」ってとても素敵です!特にどういう人に読んでほしいと思いますか?

正直になりたいと思っている人だろうね。自分の着ているものが苦しいと思ってる人に「“裸”になっても大して恥ずかしくないぞ!楽だぞ!」って伝えたいかな。
若い子には「たとえ道を外れてしまっても、もっと自由になれる生き方もある」ということを知ってほしいし、私の年代とか子育てに悩んでる人なんかにとっては私の考えは役に立ったりするのかな、って思ってる。
だから、男の人には刺さらないだろうね。いまの若い男の子は本音を出すことを怖がらないし恥ずかしがらないから、その子たちには刺さるかもしれないけど、私の時代の男性たちはすごいからね、正直になることに対しての壁が。崩そうとすると逆に攻撃されたりするからね。「心を開けて“裸”になることが怖くないよって、一枚ずつ“服”を脱げる人」と「“裸”のままで生きていて、“服”を着てる人に攻撃されて苦しいと思ってる人」に届けばいいな、と思うな。


「楽しいことをする!」ノリコさんのこれから

実際に、その想いは既に届いていると思います!最後に、ライティングを「仕事」にする予定があるのか否かも含め、今後のノリコさんの展望をお聞かせください。

私にとって「書く」ことはお金をもらうことではなく、自分にとってのアウトプット。 仕事にするとなると天狼院から言われたことは確かにその通りなんだろうけど、自分の感性を押し殺してまで書くべきではない、と思ってた。
でも、あるとき商品開発部(*3) で、ふと気がついたんだけど、私は人のためなら型に合わせて書くことができるなって思った。クラウドワークスとかランサーズとかやればって感じになったけど、私にとってはお金より「書く対象に“愛”が発動するかどうか」が大事。
自分の感性以上に好きな人がいれば、「この人には惚れたな」って思える人がいれば、全力で天狼院で学んだツールを使って書くし、勉強もやり直すと思う。
世の中にはライティングが上手な人がいっぱい居るけど、そういう人たちとは違うだろうなって思う。そういう人たちの一人になりたいとも思わないかもしれない。

(*3)「ゼロから商品開発部」というコミュニティの略称。参加者が望む生き方・働き方の実現を支援している。

「私にとっての“愛”が何なのか」
それを知っている人、使いたいと思っている人に使ってもらうのがいいかなって思ってる。これは私にしかできない仕事として誇りを持ってもいいんじゃないかなって。一人でも興味を持ってくれたら私の仕事としては成功じゃないかな、って。 それで、書きたいことがお金になったら、私にとったら一番幸せなことかな。

ただ、 人の役に立つのに「書く」という手段でないといけないってことはない。他に何か役に立つことを見つけてないだけだと思う。
とことん対象物が好きでないとしないけどね。友だちにも「お化粧品、一緒に売らない?」とか「一緒に仕事がしたい」って言われるけど、「そこまで惚れないからやらない!」って言ってる(笑)

これからは楽しいことをしようと思ってる。たとえば、ワークショップだったりとか私がやってきて効果のあったことをちょっと広めてもいいかなって。私はもう人生ずっと甘くなくなかったから、自分に優しい仕事をするの。やりたいことしかしない。楽しくワクワクしてたらお金が入ってるよっていうのを目指してるよ。

編集後記

2022年2月には、有料講座「ゆるめる開運メソッド」の開催、4月にはスキルプラットフォームで「心に届くライティング」という商品名でライティング代行サービスを開始するなど、まさに「楽しみ」ながら新しいことにどんどんチャレンジしているノリコさん。
このインタビューは2021年10月下旬に実施されたものですが、「すごい、有言実行している!」と興奮しながらこの記事を執筆させていただきました。
“裸”の心で物事の本質をよく見極め、いいと感じたものはとことん愛しつくし、真心を込める。そんな圧倒的な愛のパワーに人々は魅せられ応援したくなるのだと思います。
これからも「楽しくてワクワクな未来」に向けたノリコさんのチャレンジを応援しております!


あとがき

ちょうど1年前
ワタシの大好きな若い友人、櫻田奈津子さんからインタビューのオファーをいただき、
記事を作ってくださいました。
人生初のインタビューが冊子になって届いた時は、「雑誌の巻頭特集みたい♪」ととても嬉しくなりました。
一年経っても、きっとこれからも何も変わらない、ワタシの「書く」に対しての想いを残しておきたいと思い、掲載させてもらうことにしました。
いま、お客様に「心に届くライティング」https://noriko.hp.peraichi.com/gokigenwriter
をお届けしながら、ご自身では解らない鎧の中の輝きを照らすことや、複雑にこんがらがった想いをほどくことができることが、誰よりワタシをシアワセにしています。

「セラピー」×「ライティング」
これがワタシのライフワークなんだな。と気がついた今日です。


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