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漆継ぎ日記〜蕎麦猪口解剖

小さな欠けが初心者向けかも、と思って手に入れた、多分、江戸終わりの染付蕎麦猪口。

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底を内外から眺めてみると怪しいヒビ線。

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縁には合成接着剤と思しき修復痕。

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とりあえず、ネットに入れて煮沸、湯冷ましして取り出して見ると見事に剥がれた(実際には先に割り作業を行ってます)。

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破片側の接着剤も剥がしてみたけど、これを再利用するよりは金継ぎした方が美しいなと判断。


そして、怪しいヒビ。
水を貯めた途端、盛大な水漏れ、しかもヒビ周りを持って力を入れるとギシギシ音がする。
これは割って継ぐしかない、ということで、再びネットに入れて心苦しいけど少し高いところから落としたら、1回で3分割に。

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更に怪しいヒビがあるものを一つ一つネットに入れてギシギシする箇所がなくなるまで割った結果、5分割に。
繋ぎ合わせて見てみると、見事に怪しいヒビ線と一致(他に割れちゃったとこもあるけど😭)。

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ということで、やっとスタート地点に立ちました。
結局、最初から認識していた小さな欠けが、この盛大なヒビ割れを引き起こした元凶だということが読み取れました。
何だか、法医学研究室みたいです😆

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