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何者でもない私たち

【小説】 ※無料で最後まで読めます

「キリトリ線にそって紙を切るタイプの人間と、キリトリ線を無視するタイプの人間がいた場合、二人の人生は大きく異なるだろう。二人の紙の切り口が大きく異なっているのと同じように」
「なにそれ?」
「私が考えた名言だよ!」
「ふーん」
「でも一般人の私じゃ説得力がないから、有名人の名前を借りて箔をつけることにするよ」
「どういうこと?」
「キリトリ線にそって紙を切るタイプの人間と、キリトリ線を無視するタイプの人間がいた場合、二人の人生は大きく異なるだろう。二人の紙の切り口が大きく異なっているのと同じように(ガガーリン)」
「…………」
「ねっ?」
「ねっ、て言われても……」
「おおー! ってなったでしょう?」
「なってないよ」
「続けていくつか言ってみるね」
「勝手だなあ」
「カレーとご飯をどのような配分で食べるか。それを見るだけで、その人物の器を正確に計ることができる(カルロス・ゴーン)」
「……」
「酢豚にパイナップルは不要だ、と主張するような人間は、そのうち笑点の山田くんの役割を機械化しろと言い出すに決まっている(カフカ)」
「…………」
「うどんか蕎麦かという選択より先になされるべき選択がある。『どん兵衛』か『赤いきつねと緑のたぬき』かという選択だ(スティーブ・ジョブズ)」
「………………」
「えっ! こんな小さなサンドイッチが700円? 新幹線の中は未来なのか?(マルチーズ伯爵)」
「マルチーズ伯爵って誰!?」
「ふふ……さすがに架空の人物では無理か」
「実在の人物でも無理だったよ!」
「世の中しょせん、発言の内容ではなく、誰が発言したかということしか問題にならないのさ……」
「そんなことないと思うけどなあ」
「世の中しょせん、発言の内容ではなく、誰が発言したかということしか問題にならないのさ……(時田フィリポヴィッチ真理子14世)」
「それ何?」
「私の最終形態」
「どうやったらそうなるんだよ」
「うーん……。ところで進路調査、なんて書こっかね」
「難しいね」









なんと!あこがれのha64さんがこの小説を漫画化してくれましたー!
バンザーイ!
はっきりいって最高です!
いますぐチェックだ~!

https://note.mu/ha64/n/nd6d4bed8a2d8


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