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007『幻の茶畑』


"輪島に茶畑があったという噂は聞いていますが、いまだに「発見」できていません"と、お茶博士から一昨日連絡があった。

1979年の石川県植生調査報告書には、輪島市におよそ90ヘクタールの茶畑があり、茶の生産が行われていると書かれてある。噂ではなく確かに茶畑があった。加賀藩主に献上されたと言われる能登穴水の中居茶は今も少し作られており、現役の茶畑(紅茶)は能登島にあることがわかった。

通常の茶畑は葉がメインなので花を咲かせない。真っ白な花が咲きオイルの原料となる実がなる休耕茶畑を僕は探している。

まだ発見できていない能登の茶畑、休耕茶畑を探し、そこから取れる実(ビタミンEが椿の4倍ある)を使ってヘアオイルなどを作る。能登の美しさを髪で感じられたら素敵だなぁ~そんな夢を抱くようになりました。

きっかっけは、一保堂の子供対象のワークショップでお茶の木と椿の木が同じツバキ科と知ってから。

娘と一緒にお茶の葉っぱを見て香って触れ、石臼も回し、爽やかなお茶の香りが広がる中、抹茶を点ててお菓子と一緒に味わう。ゆったり過ごすお茶の時間。

「皆さん、今からお茶のクイズです。6つの葉っぱの中にお茶の葉っぱがありますが、どれか分かるかなぁ?」

椿の葉っぱに似ている大きさの違う2枚、オリーブ、紫蘇の葉、カエデ、野菜の葉。この中からお茶の葉を当てるのだ。消去法から椿の葉ぽい2つのどちらかが茶の葉のようだが普段見るお茶の葉は、細長く乾燥しているし急須のなかでもくっしゃくしゃで広がり原型の葉を見たことがないので分からない。

「では、みんなに聞いていきますね!答えてくれたら水ようかん甘露竹をプレゼントします」

紫蘇の葉と明らかに違う葉は、参加していた他の子供達が答え、その後、娘ちゃんが当てられ大きい方の椿の葉を指差して「それです」と。花より団子で答えよりも早く食べたい娘ちゃん、正解を知りたい僕。

「似てるんですが、実は小さい方の葉がお茶です」と。椿と同じ種類ですか?と聞いたら同じツバキ科の植物だと。もちろん同じツバキ科なので実も椿油のように油も取れると。

なんだなんだ!すごいじゃないか!お茶の木!
何十年生きてきて初めて知るお茶の魅力。
娘ちゃんはお腹を満たし、僕は未来に満ちた。

こうして茶の実を探す旅が始まった。
90ヘクタールの茶畑はどこにいったんだろうか?

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