偏質的俳句鑑賞-第百八十九回 鯛焼に隣れる財布熱々に-辻桃子『まいにちの季語』

バックに買った鯛焼を入れて帰ると隣りにあった財布まで熱くなっていたというそのまんまの体験だろう。
家に帰って鯛焼を食べるワクワク感や暗示される帰るまでの道の寒さが現れている。
買い食いというかふと見つけたこういうご褒美的なスイーツは何であんなに魅力的なのだろう。
自分はサーターアンダギーを乗り換える駅の通路でよく買ってしまう。そういう誰にでもある経験をこの句は「鯛焼」のあったかさにフォーカスすることで詩に昇華したのだ。
次回も良ければ読んでください。

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