偏質的俳句鑑賞-第三百五十二回 夜桜の深みに入りて行方知れず-齋藤愼爾『齋藤愼爾句集』

夜桜は妖しいオーラをまとって立っている。
そのオーラは周りの空気も巻き込んで「深み」になる。それに近づいていってしまえばどこか現実ではないところへ誘われてしまう。
「行方知れず」になる。
誰が行方知れずになるのだろうか。作者本人が消えてしまうような不穏さを持って「夜桜」の季語としての存在感が際立つ。
次回も良ければ読んでください。

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