偏質的俳句鑑賞-第二百四十二回 闘うて鷹のゑぐりし深雪(みゆき)なり-村越化石『折々のうた 選俳句(2)』

躍動感がすごい。「ゑぐりし」という修飾があまりにもマッチしている。
鷹という気迫のある生物と雪の静かさの対比。
その雪を「ゑぐり」、生きていく鷹の強さがここにはある。
村越化石はハンセン病に罹患した後、失明する。それでも俳句をやめることはなかった。
この句はまさにその失明と「闘う」化石の「ゑぐりし深雪」だったのである。
次回も良ければ読んでください。

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