偏質的俳句鑑賞-第九十五回 蟷螂(かまきり)のひきずる影を見まじとす-西東三鬼『俳句用語辞典』

不穏な感じがする。
蟷螂が影をひきずっている。死にかけているのか、それとも他の捕食した昆虫の一部をひきずっているのか。
影を見ないようにするということはその影を生み出しているものだけではなく、全体を見ないようにしているように読み取れる。
心理的なイメージがこの影に映し出される。
蟷螂は昆虫としての蟷螂ではなく、何か恐ろしいものの象徴として主人公の前に現れる。
そういう象徴的な面が面白い一句だ。
それだけです。次回も良ければ読んでください。

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