偏質的俳句鑑賞-第三百三十八回 桜ごし赤屋根ごしに屍室の扉-西東三鬼『西東三鬼全句集』

「屍室」とはなかなか強烈なインパクトがある。
桜ごしに見えるのは生と死の対比になっていると考えられる。しかし、「赤屋根」とは何だろうか。
血のようななにか雰囲気的に不穏なイメージを与える。それを「桜」という季語と並列したのはかなり面白い。
曖昧なイメージで詩を構成するのも場合によっては良い。

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