偏質的俳句鑑賞-第三百四十六回 芽吹く木の騒騒と一山をなす-宇多喜代子『森へ』

「騒騒」という字面がもうすでにごちゃごちゃっとしていて素晴らしい。
確かに「山」も木がたくさん生えていることによってこんもりとした緑の山になる。
それぞれの木が「芽吹く」イメージは赤ちゃんの産声やトトロのどんぐりが芽吹く「ポコ」というかわいらしい音を想起させる。
どちらもいっぺんに鳴ったら「騒騒」とするだろう。
また、その音が耳障りではなく自然の力を感じさせる存在として捉えられているところが重要だろう。
次回も良ければ読んでください。

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