偏質的俳句鑑賞-第三百三十五回 春の月噴水は水脱ぎにけり-鳥居真理子『ねんてんさんの名句百選』

噴水は夏の季語だが「春の月」が最初に置かれているから、この「噴水」は春の月の下輝いている一つの景物としてある。
「水を脱ぎ」とは噴水が止まり、持続的に出ていた水のベールが脱げたように見えるのだろう。
擬人化は失敗しやすい。しかし、丁寧であれば失敗しないということをこういう句が証明してくれる。
次回も良ければ読んでください。

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