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句集を読む:『北落師門』

『北落師門 Fomalhaut』 黛まどか 2022文學の森
著者の第5句集。全400句。タイトルの「北落師門」は南の魚座の首星フォーマルハウトのこと。秋の夜空に輝くただ一つの一等星で、孤高の星である。

[章立て]
知命2012年
巡礼2013年
サハラ2014年
白夜momoyo2015年
折々に2016年
四国遍路2017年
京師2018年
Paris2019年
ちちははに2020年
現し世2021年
還暦2022年

[好きな句10句]
空よりも水面にぎはふ揚花火
酒蔵にむかしの寒さありにけり
囀を残して発てり只見線
どうにでもなれと溶け出す雪だるま
昼寝してぎくしやく午後の過ぎにけり
サーフボード乗り込んでくる初電車
無人駅ホームの端の春日傘
囀のあと潮騒の駅舎かな
足音のひとりつきりの冬銀河
あをぞらの匂ひて春はもうそこに

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