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句集を読む:『雪間』

『雪間』 鈴木正治(すずきまさじ) 2022現代俳句協会
著者は大正14年福島市生まれ、著者の第4句集、全291句。

[章立て]
平成21年以降
平成23年以降(地震・津波・原発破損)
平成26年以降
令和元年以降

前句集『津波てんでんこ』と重複している句や、言葉が入れ替わっている句(推敲し直された句?)が散見される。例えば

地震津波仔牛首上げ呑まれゆく (本句集)
「津波てんでんこ」仔牛首上げ呑まれゆく (前句集)

廃炉まで七生鵙が啼きつづく (本句集)
廃炉まで七生蟬が鳴きつづく (前句集)

といった具合。

[好きな句5句]
死にきれぬ被爆の牛ら雪間嗅ぐ
吹き抜けの原子炉建屋鳥渡る
鉛筆一本稲田アートに会いに行く
あれから十年被曝フクシマとなつたまま
初詣赤ベコ大きく首振つて

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