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句集を読む:『白鳥』

『白鳥』 池田義弘 2006文學の森
著者は昭和12年福島市生まれ、著者の第2句集。
タイトルは阿武隈川に毎年飛来する白鳥に縁が深く、白鳥の句が多いからとのこと。JRに勤務されていたというご経歴ならではの句も多く収録されている。

[章立て]
転車台 昭和61年~平成2年
精悍な犬 平成3年~平成7年
わらべ石 平成8年~平成12年
わが胸座 平成13年~平成18年

[好きな句10句]
終戦日駅のホームを蟬歩く
迎火とコンサートの闇繫がれり
天の川切符の切屑掃きてをり
早池峰の神へ大根背負ひゆく
花りんご子を乗せ帰るトラクター
雲の峰ひとゆすりして貨車が発つ
彫り屑に檜の匂ひ梅雨晴間
探梅の声かたまりて出て来たる
白鳥を見てゐて誰もゐなくなり
皆既日食妻は秋刀魚を焼いてをり

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