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句集を読む:『カムイ』

『カムイ』 櫂未知子 2017ふらんす堂
1960年北海道生まれ、「群青」共同代表、「銀化」同人。
本書は著者の第3句集、第57回俳人協会賞受賞作。

[章立て]
火口
夜空
海流
簡単
自由
遺品

[好きな句12句]
車間距離取るごと年の瀬を歩む
洗ひ髪神威岬に吹かれつつ
言葉すぐ切り替へてゐる帰省かな
石炭と雪が出合へば素敵だらう
脚ひらく氷湖に刃入るるとき
手拭は風に吹かれて鰊群来
鮭のぼる町うつとりと廃れつつ
セーターの摩周湖の色ほつれけり
逃水や一年前の時刻表
日焼するほかなき道を進みけり
一瞬にしてみな遺品雲の峰
深呼吸して雪原を味はひぬ

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