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句集を読む:『橋朧 ―ふくしま記』

『橋朧(はしおぼろ)―ふくしま記』
永瀬十悟(ながせとおご) 2013 コールサック社 
著者は1953年須賀川市生まれ 「桔槹(きっこう)」同人 
本書は第一句集:全408句

[章立て]
第一章 ふくしま 2011年春 (震災直後二ヶ月の句)
第二章 (震災後約2年間の句)
Ⅰ 少年の日 2011年夏
Ⅱ 海に行かう 2011年秋
Ⅲ 松明(たいまつ)あかし 2011年冬
Ⅳ 木を描く 2012年春
Ⅴ 杳(はる)かな時間 2012年夏
Ⅵ 銀河濃し 2012年秋
Ⅶ 白鳥来たり 2012年冬
第三章 (震災前に福島県内で詠んだ句)
Ⅰ 春
Ⅱ 夏
Ⅲ 秋
Ⅳ 冬

第一章の50句は2011年(第57回)角川俳句賞受賞作品。すべて福島県内で詠まれた句とのこと、第一&二章と第三章(震災後と震災前)の違いが、震災&原発事故で一転してしまった風景や生活を際立たせる。

[好きな句5句]
凍返る救援のヘリ加速せよ
蜃気楼原発へ行く列に礼
騒がねば振り向かぬ国ひきがへる
天蓋は色変へぬ松磨崖仏
なにもないところですけど雪景色


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