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句集を読む

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句集を読み、収録句の中から印象に残った句を何句かpick upさせて頂いています。
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#鈴木正治

句集を読む:『雪間』

『雪間』 鈴木正治(すずきまさじ) 2022現代俳句協会 著者は大正14年福島市生まれ、著者の第4句集、全291句。 [章立て] 平成21年以降 平成23年以降(地震・津波・原発破損) 平成26年以降 令和元年以降 前句集『津波てんでんこ』と重複している句や、言葉が入れ替わっている句(推敲し直された句?)が散見される。例えば 地震津波仔牛首上げ呑まれゆく (本句集) 「津波てんでんこ」仔牛首上げ呑まれゆく (前句集) 廃炉まで七生鵙が啼きつづく (本句集) 廃炉まで七

句集を読む:『津波てんでんこ』

『津波てんでんこ』 鈴木正治(すずきまさじ) 2014現代俳句協会 著者は大正14年福島市生まれ、本書は著者の第3句集、全280句。 [章立て] 平成17年以降 -蜘蛛飛ぶ日 平成23年3月以降 -タビラコの花 前半の章は大半が亡くなられた奥様のことを想う句、後半の章は震災句。全体を通じて「蜘蛛が飛ぶ」句がかなりあるが、どんな意味合いなのだろう…。 [好きな句5句] 再会のごとき太陽木の根明く セシウムの除染大暑の表土剝ぐ 人住めぬ被災地熟柿落ちつづく モニタリング鮟鱇