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句集を読む

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句集を読み、収録句の中から印象に残った句を何句かpick upさせて頂いています。
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#藺草慶子

句集を読む:『遠き木』

『遠き木』 藺草慶子 2003ふらんす堂 著者は昭和34年東京生まれ、本書は著者の第3句集、全300句。 [章立て] 雲雀野 春 蛍舟 夏 七夕 秋 冬の翼 冬 あらたま 新年 花影 春 虹の根 夏 十六夜 秋 蠟梅 冬 [好きな句7句] 納めたる針に映りし炎かな ひらかむとしてかたぶくや花菖蒲 湯ざめして廃墟の中に立つごとし 柚子湯出て家族の中に戻りけり 戸袋へ走り入る戸や去年今年 君何か貫くごとく泳ぎけり どんぐりを拾へば根あり冬日向

句集を読む:『野の琴』

『野の琴』 藺草慶子(いぐさけいこ) 1997ふらんす堂 著者は昭和34年東京生まれ、本書は著者の第2句集、第20回俳人協会賞新人賞受賞、全312句。 [章立て] 一山 平成元年 湖心 平成2年 流砂 平成3年 羅針盤 平成4年 朱の柱 平成5年 ヒロシマ忌 平成6年 天人花鳥 平成7年 [好きな句7句] かはほりのをさなきつばさひるがへる 水底に石段見ゆる落椿 床に散るこけしの木屑明易き 磯伝ひ日向づたひに遍路みち 冬日抱きゴールキーパー立ち上る 湯をかけて墓現はるる雪