君の良い所を100個、君が君自身で手放した良い所も100個、言わないと出られない部屋。

 最近観返した『WXIII 機動警察パトレイバー』が驚くほど面白く、それっきり今度はOVA版パトレイバーを改めて観ている。秋の始まりはパトレイバー。

 排気口noteは何度目かの定期更新を目指しているのだが、どうもパソコンに向かう身体が重い・・・。準備している台本も中々進まず・・・。遅れてきた夏バテかもしれない。

 相も変わらずに暑くてクーラーを付けている。蝉の鳴き声を聞いた気がした。日差しはまっすぐ降り注いでいる。

 過日、酔って花火をやった。火は瞬く間に強烈な光になって、瞬く間に消えていく。それを繰り返すのがこれほど楽しいとは。現生人類が火をわが手にして本当に良かったと思う。締めに線香花火をして終わる。花火の匂いが真夜中に溶けて行った。東京の外れの小さな公園で僅か7人ほどしかみなかった花。触ろうとすると誰かが「火傷するよ」と私を止めた。

 酒も呑んでいる。金欠なのに。大抵奢って貰っている。奢って貰う事への罪悪感が無性に邪魔していた時期もあったが、その罪悪感こそ奢ってくれる方への冒涜だと気が付き、すかっと晴れやかな気持ちで奢られようと思った。遠慮せずに奢られよう。どうせ生は浮世の寄り道。振り返ったらどれもみな同じような千鳥足の足跡。酔っぱらいに個人はなく、酔っぱらいという大きな塊になる。だから誰が酔っても分かりゃあしない。どんな酔い方も全部一緒だ。オリジナルはない。どんな人間も酔えば一緒。醒め方だけが違うのだ。

 まだ誰にも奢った事ないな・・・。と淋しげな気持ちを持っているなら私にどうぞ。

 このまま日は短くなる。だんだんと。18時は真っ暗。そんな季節がもうすぐやってくる。人は慣れていく事が得意な生き物だから、いつの間にか手離した手の形も忘れる。このままじゃあ死んでしまうと思った夜も、いつの間にか楽しげな朝に塗り替えられる。過ぎ去っていく。全ては。忘れていく。全ては。

 出来ればそー言った事に抵抗しようと、一つ一つ楔を打っていく。ここだけは忘れない様に。ここにだけは戻って来れるように。そんな確かな感触を人は「思い出」と呼んだりする。

 「思い出」と呼ばない人のところにやってきても鍵を閉めているので入れない。外で淋しくうずくまる「思い出」は砂糖菓子の様に溶けていく。溶けていくのは止められないけど、隣に居ようと思う。

 皆さんの穏やかさを祈って。

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