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俳句「季語が動く」

卯の花や逝きても祝ふ誕生日

 公開するつもりもなかった句だが、今日の俳句を何にしようかと考えていたら、昨年も季語を変えただけの同じ句を詠んでいることに気づいた。「冷酒や逝きても祝ふ誕生日」今年がこの句で、掲句は昨年。

 五月十五日は亡き父の誕生日で、今年もまた父が好きだった『上善如水』という酒を供えた。というより、結局は自分が飲みたいから、父の誕生日にかこつけているだけだ。普段紙パックの酒しか飲まないので、私にとってはこれでもプチ贅沢だ。

 俳句では、季語を取り替えても成り立つ句を「季語が動く」といって良しとしないが、図らずも一年前と同じ句を詠んだことを、私個人としては良しとしたい。動くのは、季語か、それともこころか。

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