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俳句「蟬にも意地が・・・」

終はりまで鳴く秋蟬の瘦せ我慢

 ツクツクボウシという蟬は「つくつくぼうし」を数回繰り返したあと、「…ぼうし」(…のところは私にはうまく表現できない)を2,3回、そして「ジィイイイ」と鳴き終わる。ところで、ツクツクボウシが「つくつくぼうし」をリフレインせずに止めたり、最後の「ジィイイイ」まで鳴かずに止めたりした記憶が私にはない。鳴いている木の傍に立つと、ツクツクボウシも人間の気配を感じて、早く逃げようと身構えてはいるが、最後まで鳴き終わらないうちは飛べない、と感じているように私は思われる。

 他の雄が鳴いている以上、自分が途中で逃げ出すわけにはいかないと瘦せ我慢しているように思うのは、私だけだろうか。

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