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【新富町長の話聞いてみた:その1】いい意味で「ほんとに行政機関の首長?」ってなった!

みなさん、自分が住む市町村の長が、どんな人か知ってますか?

私は3月まで役場にいたということもありますが、小嶋崇嗣(こじまそうし)新富町長とはすれ違うたびにちょっとした雑談をする、そんな感じの距離感です。

そんな小嶋町長がこゆ財団に来て、お話をしてくれました。印象に残ったことを書かせてもらおうと思います。(記事にしていいですかーって聞いたら、いいよーと即答してくれました。ありがと町長!)

みんな熱心にメモメモ

自分がやっていることは持続可能なのか?前提を疑え!

日本は人口減少社会に突入しているわけですが、もともと人口の少ない町や村では、片足どころか半身突っ込んでる、超切実な問題です。

1万6千人しかいない新富町も同様です。そんな町の未来を考えるときに、小嶋町長は「まず大前提を疑うべきだ」と語ります。


小嶋町長:今、行政機関がやっていること、法律、語られる成功体験は、昭和30年〜40年代のものに基づいていたり、大前提にしているんですよ。昭和30年〜40年代というのは、人口増加も経済成長も約束されていた、持続可能な社会を目指す現在とは正反対の時代。だから、まず疑うことが大事。自分がやっていること、認識、考えていることは、持続可能なのか? そう問いかけないと。



いやー、言っちゃなんですが前例にこだわる公の機関の首長が、こんなこと考えてくれてるのはありがたい!

個人や民間がいくらがんばったところで、行政機関の協力や理解が得られないから物事が進まない、なんて事例は山ほどあるわけです。とはいえ、現状を守りたい気持ちもわかるわけですが・・・


小嶋町長:本来なら、議会民主主義ってとてもいい制度なんですよ。町長は未来志向の人がなり、議会は住民の今の苦しみを理解して訴えてくれる人を選ぶ。こうすることで、誰かを取りこぼさずに未来を話をできるでしょ。ところが町長も今に迎合する人を選んでしまうと、右往左往する行政になってしまうんです。



うわー、今まで選挙のとき政策とかは確認してたけど、それが「未来志向か」「持続可能なことか」までは頭が回ってなかったなー。何より、自分の1票によって町のあり方がまったく変わってしまうんだから、投票って大事だなと再確認しました。


最初の1年間、議会の質問を町長自身が全部答えた

最初に当選した2018年当時、小嶋町長は46歳(若っ!)。「議員経験はたった10年、課長や課長補佐は基本年上だから、お前なんかが何知ってるんだと思われているだろう」と考えた小嶋町長は、”とにかく自分が話す”ことに全力を注いだそうです。


小嶋町長:町長になった最初の1年間、議会で質問がきたら、担当課長に答えさせず全部僕が答えました。金額やランキング順位まで全部覚えて。それと、課長会のような会議では僕がめっちゃ話す。情報共有はできて当たり前だから、会議では僕の考えをとことん話す。



みなさんご存知かもしれませんが、議会の質問ってけっこうな数あるし、当然ながらジャンルは全方面。これを全部頭に叩き込んでるんだからすごいなー!(あと「情報共有はできて当たり前」って言葉がすごい響くー!)


小嶋町長:新人は必ず僕が研修するんですよ。”態度でわかれ”な上司や”察してちゃん”は無視しろとか、何よりも挨拶をしなさい、挨拶だけは職員で1番になってください、と伝えてます。



町長から言ってもらえるのは心強い! ちなみに挨拶をそれほど意識している理由は?


小嶋町長:だって挨拶しない役場、イヤやろ? 「子や孫が帰ってきたくなる町づくり」を目標に掲げているのに。町長に就任した最初の1年は、出勤したら毎朝全部の課を回って挨拶してた。僕の理想はこんな町づくりなんだよと態度で示すために。


だって。うーん、ごもっとも!


「変える」とは継続すること、当たり前になるまでやること

サッカースタジアムに農業公社、乗り合いタクシーに国道10号線の4車線化、南九州最大級の自動車流通センターの建設(工事中)など、小嶋町長の町政になってから、地図がリアルタイムで書き変わっている・日常生活が変化したと感じる町民は多いと思います。

なぜそんな変革ができるのか? そしてその原動力はなんでしょうか。


小嶋町長:「変える」とは、継続することなんですよ。新しいことを半年継続したら、それは変化です。僕の思う考え方を続けると、それが当たり前になる。当たり前になるまではコツコツ地道な作業ですよ〜。役場職員が「町長が言うことより簡単だね」って驚かなくなったのが、習慣化された証拠です。



役場職員の感覚まで変えているとは! そういえば、私が役場に配属されたとき、役場らしくなくて驚いたんですよ。雰囲気が明るいし、新しい考え方の人や、なんで役場にいるのって思っちゃうくらい優秀な人が多い。なんでだろう?


小嶋町長:実はこの3年間の戦略で、採用人数を増やしたんですよ。それまでは4、5人だったのを、10〜15人ほどに。中途採用もしています。すると、「これだけ採用してくれるならエントリーしよう」と評判が上がるんですよ。おかげさまで、地方公務員を受ける人は昔の半分だけど、新富町は増えています。



なるほど、そこも戦略なんですね。


長くなったので次に続きます【その2はこちら
・町長は重度のADHD!?
・農業はこれからどうなる?
などを聞いていきます!




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