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HRT(ホルモン補充療法)をしていてもワクチン接種は可能か?


ちょっと気になっていたHRT(ホルモン補充療法)中の新型コロナウィルスの予防接種に関して。

エストロゲン製剤には、動静脈血栓症のリスクが多少あります。

新型コロナウィルスの予防接種後の血栓症事例の報告もしばしばあって、どうなんだろう・・と思っていました。

新しいガイドライン(新低用量ピル(OC・LEP)ガイドラインの最新版が2021年3月25日に発売)では、以下のように書かれています。


3. 新型コロナ感染症とピルについて:新型コロナウイルスに感染した場合、血栓症のリスクが増加することが報告されています。新版では、新型コロナウイルス感染症の軽症時には低用量ピル以外の避妊方法を検討する(例:コンドーム、子宮内避妊具など)、呼吸症状の出現や重症時にはピル内服を中止し抗凝固療法(低分子ヘパリン投与)などを検討することを提案しています。一方で、新型コロナのワクチン接種のために、ピル内服を中止するような推奨・指針は出ていません。現時点では、新型コロナのワクチン接種前後に低用量ピルの内服を中止する必要はないと考えられます。

ということは、エストロゲン量が新低用量ピル(OC・LEP)より少ないHRTに関しても予防接種は可能で、中止する必要はないと思われます。

さて、引用した前半の文章の方が気になるよ‥という方もいますね。

日本産婦人科学会のHPでは以下のように注意喚起されています。


【COVID-19重症、または軽症でも呼吸症状を伴う場合】OC・LEPやHRTを中止し、低分子ヘパリンを投与する。
【COVID-19軽症、または無症状の場合】OC・LEP使用者では、エストロゲン製剤以外の方法についても検討する。
HRT使用者では、エストロゲン製剤を中止するか、または経皮製剤を用いる。
 COVID-19の蔓延により社会活動が制限されている現状において、望まない妊娠を防ぐための避妊法を含め、医師と患者が十分に情報を共有して個別に最適な治療法を選択することが重要である。

HRTの場合飲み薬(プレマリン・ジュリナ・ウェルナーラ・エストリール)で治療している場合は、新型コロナウィルスに感染した場合は、症状のあるなし、症状の重さにかかわらず、HRTを中止するか、経皮製剤(エストラーナ・メノエイドコンビパッチ・ディビゲル・エストロジェル)へ変更することが書かれています。

血栓予防の治療が必要な場合もありますので、もしHRT治療中で新型コロナウィルスに感染した場合は、HRT治療中であることを医師に伝えましょう。

エストロゲンには感染予防という作用もあります。

むやみに血栓がこわいから・・と治療を中断する必要はありませんが、一度担当の婦人科医師と相談しておくのもいいかと思います。

このあたりの情報は、随時変更されると思いますので、わかり次第、またお知らせしていきたいと思っています。

新型コロナウィルスが感染拡大し、窮屈な生活を強いられてから、もう少しで1年半

私も、「疲れたー」「友達に会いたい」「みんなで飲み会したい」「旅行に行きたい」「リアルで講座や講義をしたい」「イベントしたい」といろいろな想いはありますが、ワクチン接種が進んでいない今、治療薬がない今は、とにかく感染しないようにするしかありません。

もう少しの辛抱です。



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